大仏温泉のすすめ 別府のおもてなし
温泉マイスター 幸 準一郎
友人を別府のジモ泉(共同浴場)へ案内すると笑い出す表示があります。
「水を大切に!」
東京では「お風呂のお湯」はガスや電気で湧かすのでお金が掛かっているが水はタダみたいなものと多くの人が思っています。
ここ別府では、熱い温泉を適温にするための水道使用料がジモ泉経営を圧迫している現実があります。
温泉法では「温泉」は湧出する温度により
冷鉱泉 25℃未満
低温泉 25℃以上34℃未満
温 泉 34℃以上42℃未満
高温泉 42℃以上 に分類されています。
環境省の令和元年度温泉利用状況では
源泉数 比率
25℃未満 4,161 17.0%
25℃以上42℃未満 6,900 28.2%
42℃以上 12,903 52.7%
水蒸気・ガス 498 2.0%
合 計 24,462
となっていますが、別府の場合は42℃未満の温泉を探す方が難しく、
約半分が60℃以上の温泉です。
ここで問題です。
60℃の温泉を適温の40℃にするにはどれくらいの水道水(20℃)が必要でしょうか?
連立方程式を解くまでもありませんが、同じ量の水道水を投入する必要があり、冒頭の「水を大切に!」の表示につながります。
水道代も掛かるし、温泉成分も薄まってしまうので、別府の入浴施設では温泉を冷ますために様々な工夫をしています。
老舗ホテルではお客さまが 朝、出発されると従業員が総出で清掃、湯船に熱い温泉を満たし、夕方、お客さまがお見えになる頃に適温にしています。
また、ミシュラン三つ星の「ひょうたん温泉」では、温泉冷却装置「湯雨竹(ゆめたけ)」を開発、100℃近い源泉を一挙に50℃に冷却し、湯船に新鮮な温泉を掛け流しで提供しています。
冷却装置「湯雨竹」は動力も使わない優れもので、大仏温泉の計画中に「ひょうたん温泉」いろいろと親身なアドバイスをいただきましたが、ジモ泉には設置面積や費用の面から難しいモノがあり、コンパクトな冷却装置「ゆめひのき」の開発につながっています。
「ゆめひのきの湯 大仏温泉」で、
適温で環境に優しい源泉掛け流しを楽しみませんか?
●「ゆめひのきの湯・大仏温泉」HP
◆大分県の温泉(大分県HPから)
◆国土交通省 別府の温泉熱温度図