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マイスターおすすめの温泉 鉄輪むし湯

別府市営温泉シリーズ 鉄輪むし湯の入湯記
                   シニア・マイスター 甲斐心也

 ポカポカと温かい日曜日、3連休の中日に、こちらを訪れました。
 むし湯の始まりは、鎌倉時代にここを訪れた時宗の開祖一遍上人が、法力によって温泉地獄を鎮めましたが、最後まで鎮められなかった地獄を「むし湯」として拓いたと言われています。
 一遍は四国の道後温泉近くの豪族河野家の生まれで、温泉の扱いに長けていたとの見解を耳にしますが、これはおそらく間違い。道後温泉は非火山性温泉で、噴気や沸騰泉は存在しないのです。

 むしろ、「6世紀の仏教の伝来とともに、沐浴の功徳を説いた仏教の教えが広まり、身体を洗い清めることは仏に仕える者の大切な業と考えられるようになります。(中略)これらの施浴のほとんどは、現在のような浴槽のお湯につかる入浴ではなく、蒸気で身体の汚れを浮かせて洗い流す蒸し風呂でした(LIXCLホームページより)」
 蒸し時間は8分、全身から汗が吹き出し、床に敷き詰められた薬草の石菖の香りで呼吸が楽になります。上がり湯もやや熱めで、しばらくは身体全体がポカボラしました。(R5.1.8の入湯記より)

 別府鉄輪温泉満喫きっぷの有効期限が5/8までなので、久しぶりにこちらを訪問。GW中とあってそこそこに込み合っている様子です。

 蒸し釜の中は狭い密閉空間ですが、高温の蒸気が充満しているので、コロナの心配はあまりしませんでした。
 蒸し釜で使う噴気と、上がり湯の源泉は別のもので、蒸し釜用は成分総量40mgの単純泉ですが、この成分量の少なさには何か秘密がありそうです。塩分のベタベタ感を避けるため、成分量の少ない源泉を使っているのは理解できるとはいえ、この数値はなにか異常ではないのかなぁ。
 そして、上がり湯用はメタケイ酸689.6mg、弱酸性、成分総量4g超の塩化物泉、美肌の湯です。
 蒸し窯の床に敷き詰められている薬草:石菖は今では貴重品で、本物が使われているのは、全国的にもここだけではないでしょうか。(R4.5.5の入湯記より)

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