温泉レビュー記 第2泉【長野県】渋温泉(65点)
本来なら加賀温泉郷(粟津温泉、山中温泉、山代温泉、片山津温泉)を一気にレビューしたかったが、低評価4連発になるのは絵面的に良くないので第2回は私の好きな温泉街の一つを紹介しよう。
長野駅からスタート
前回(粟津温泉)は書くこと無さ過ぎてホームページまで足を伸ばした。今回はそのようなこともないので長野駅から始める。
このローカル線っぽいのに乗って湯田中駅へ向かう。(鉄っちゃんでもないので車種は調べない。)
駅到着
電車で渋温泉に到着〜というご都合展開にはならずその手前の湯田中駅で電車は終わる。ここから徒歩圏内(20分程度)なので湯田中温泉街の散策ついでに歩いても良い。勿論バスで行くことも可能。
渋温泉と湯田中温泉の確執
湯田中から渋温泉への道中、渋温泉に関する看板や案内は皆無であった。文面では伝わりにくいがカナリ違和感があったのでタクシーや飲食店の店員に遠回しに訊いてみたがどちらも「仲が悪い」との直球な回答を得られた。因みに湯田中温泉と渋温泉の間に「安代温泉」があるのだがその存在を知る観光客は少ない。
写真は湯田中駅からのタクシー料金表、あって然るべき渋温泉への案内が見当たらない。
湯田中温泉街には渋温泉への案内が一切ない。
渋温泉の地図看板にも湯田中駅はあっても湯田中温泉の記載は皆無。
渋温泉に到着
そして渋温泉へ到着。
「道路しか無いじゃん」と思われるが、小道に行けばしっかりと温泉街に入る。
良い温泉街は看板がキレイ。
到着記念にそば。山菜と野沢菜から溢れる長野アトモスフィア。
昼からお酒を入れると最高に旅行者気分を味わえる。
渋温泉の温泉街
温泉街の歩道は半ば歩行者専用という感じの石畳で情緒溢れる。
車通りは少なくメインっぽいストリートの道幅も2台がギリギリ交差できるほどの道幅。
小道も多く、建物の情緒も守られており散策感は満たせる。
全てが石畳と言いたい所だが、廃墟もあるしボロいアスファルトも見え隠れする。
温泉街としては大きくはなく、写真を撮りながらでも20分もあれば(9湯巡り周辺の)散策は終わる。
渋温泉 九湯めぐり
渋温泉のメインである九湯巡り。
要は「温泉街にある9つの外湯を無料で使える」というもの。
外装はどれもこんな感じで街の彩りに一役買っている。
ただ、誰でも入れるわけではなく
「渋温泉の宿泊施設で借りれる鍵でドアを開ける」必要がある。
重要なので言葉を変えてもう一度書く。
「9湯巡りは、渋温泉の旅館に宿泊しないと出来ません。」
また、9湯巡りはスタンプラリー(スタンプ用のタオルは旅館やお土産屋で購入可)にもなっている。入らなくてもドアの前にスタンプがあるので揃えるだけなら15分もあればコンプできるだろう。
9湯巡りだがスタンプは10個あるので注意。写真は一つ少なく枕を濡らす羽目になった。
九湯まとめ
下は公式HPから取ってきた外湯一覧。
効能がそれぞれ違うが、温泉の効能なんて殆ど血行促進で説明がついてしまうから詮索してはいけない領域。
私が入った感触は以下。
内装(浴室内)はgooglemapに写真をあげているのでそちらを参照。
・1,2,3,8:若干の鉄感(サビ味)あり。
・4,5:硫黄感あり。
・6,7:無色透明無臭、湯の花がある。
・9:鉄感(サビ味)、黄土色、設備が良い。入っとけ。
共通項目は"熱い"。
熱さの限界を試したいなら朝一番(開湯=朝6時)に赴こう。源泉かけ流しの状態なので九湯どこを選んでも浴室が事故現場になる。
また、湯船の小ささから一部のマナーのなってない人の立ち振舞でプールみたいなぬるさにされたり、浴槽を空にして寝湯にしたりというのがたまにあると現地人から聞いた。本当に居るのかそんな人...。
渋温泉 外湯2泉(2選)
9個全部紹介しても似たりよったりになってしまうので、気に入った2つを紹介。1つは一番湯(初湯)。
一番湯(初湯)
入ってスグに更衣室とロッカー。
このロッカー9個埋まった時の中の様子を想像してはいけない。
これが浴室。外観通りとてもコンパクトでこんな感じなのが9個ある。
それと、温泉に足をつけて思わず笑ってしまったのはココが初めてである。
以前、自分の限界を測ってみた時には52℃に3分入れたが、ココは触れた瞬間に人間が入る液体ではないことを脳より早く体が理解した気がした。
自分の感覚では70℃程度と思われるが、こんな入れない熱さは70度だろうが105度だろうが変わりはない。
勿論そのままではただの即死ギミックでしか無いので写真のようにパイプから水を出す。が、1番湯に限りこの"うめる"ための水がぬるく何分待っても入れる温度にはならなかった。
しかしながら、この内装といいパイプといいお湯が流れる"樋(とい)"といい、若干濁った温泉といい、中々にフォトジェニックではなかろうか。
九番湯(渋大湯)
2つ目は金具屋の向かいにある九番湯、一番と九番(最初と最後)がオススメになるので覚えやすい。
この九番湯は下記特徴がある。
・渋温泉宿泊者以外も外湯として利用することが出来る。(方法はホームページ参照)
・コインロッカー、サウナ完備
・脱衣所、浴室がダントツで広い
こちらが浴室、奥が掛け流しで若干熱く手前は(蛇口の水が入るのもあって)若干ぬるいが、九番湯は人気があるのでこまめに水でうめさせられている可能性が高い。
渋温泉 金具屋
みんな大好き千と千尋のその1である。
誰が言い始めたのかわからないがいくつか千と千尋のがある。
・群馬県 四万温泉 積善館
・長野県 渋温泉 金具屋
・山形県 銀山温泉 能登屋
道後温泉も入っていた気がするが、参考にされたとか言ったもん勝ちみたいな勢いになっている気がしなくもない。でもいいよ、私もジブリ好きだし。
なお、残念ながら金具屋は日帰り温泉をやっていない。
写真用お立ち台も用意されている通りなるほど美しい。
写真映えを狙うなら夜の金具屋だが、忖度しない私は容赦なく日中の金具屋も掲載する。(実際に金具屋をググっても夜の金具屋ばかりである。)
渋温泉 地獄谷野猿公苑
散策のメインであろう地獄谷野猿公苑(じごくだにやえんこうえん)。渋温泉街から若干離れているが歩いて辛い距離でもない。
なお、地獄谷野猿公苑入り口周辺も旅館があったり屋台があったりお土産屋があったりと割と栄えている。
この看板を信じると1.6km約25分(= 時速4km弱)
私は写真の通り積雪時に行ったが20分ちょっとで着いた。
ひたすら何もない林道を歩いていく。
世界的に人気スポットなので平日でも人通りは多かった。
個人的には野猿公苑前のこの集落がフォトジェニックなスポット。
そして若干省いて猿の温泉。
見ての通りこの日は外人10割。(私は継星あかりなのでノーカン)
しかもアジア人ではなく欧米人が多いのが印象的。
後に居酒屋で聞いたところ数年前に世界的に有名な番組か特集かで世界的なランキングに日本で唯一ランクインしたときから欧米人で溢れるようになったと。
猿もいいけどグローバル溢れる空間が面白かった。
渋温泉 ちょっくん(居酒屋)
ひとつ居酒屋を紹介。
店名はちょっくん、フレンドリーな店主(夫婦)が渋温泉の話や九湯巡りの入り方を教えてくれたりするので素泊まり派は訪れてみては如何だろうか。
・注文は「お腹が空いてるor空いてない」の2通りで、店主が適当に見繕ってくれる。美味しい。
お客さんは外国人が多く、店主も割とグローバル。
壁はポラロイドカメラで撮った写真で埋め尽くされている。
陰キャの私でも饒舌になる程でなる程コミュ力が高いとはこういう事を言うのだろうか・・・久しく忘れていたアットホームな雰囲気という言葉がぴったりな居酒屋であった。
次回に湯田中温泉、安代温泉、渋温泉を訪れることがあれば再訪するのは間違いない。
渋温泉 個人的な一枚
この日、空いてたのかわからないがこの部屋を4000円で泊まることが出来た。ビバ平日。
渋温泉 総括
温泉:35点(50点満点)
・9個の外湯があり泉質がダブってるのも多いが複数種の温泉を気軽(無料&徒歩)に回ることが可能。泉質に突き抜け感はない。
・基本熱い。朝一番のお湯は生卵さんくらいしか入れない。
・外湯が狭いのでオフシーズンを狙ったほうが良い。ただ、日帰り温泉の選択肢は多いのでそっちに切り替えても良い。
温泉以外:30点(50点満点)
・温泉街に点在する9湯や旅館、石畳などは情緒溢れ歩いてて良い、それ以外に統一感がないし廃墟もチラホラ。
・飲食店はある。だが、食べ歩きできるお店は饅頭(みたいなの)ばかりでバリエーションに乏しい。
・お土産屋はちょと寂しいし温泉街もちょと活気に欠ける。
・地獄谷は一度は行くべき。動物園が好きではない私でも楽しめた。
筆者ひとこと:おすすめできる。
私個人としては80点を付けたいが渋温泉街単体で考えると見どころは少ない。9湯巡りをメインにしたいなら平日に行くことを勧める。
■ツイッター
https://twitter.com/OnsenAkari
■2020年~に訪れた温泉(GoogleMap)
https://goo.gl/maps/88ZPvLYuk9aH6iZN6