色字「共感覚」って知ってる?「あ」=赤色つまり文字が色に見える
◯題名
1は赤い。そして世界は緑と青でできている。 「文字に色が見える共感覚のはなし
◯課題の提示・共感
色に文字が見えるってどういうこと?共感覚とは?正直意味がわからなかったが、「あ=赤、い=ピンク」など物を思い出した時にピーマンの場合は緑が見えるように文字を見たり聞いたりすると色が浮かんでくるそうです。
◯本から得られるもの
・共感覚という能力の持ち主についての理解が少しできる
◯著者のプロフィール
1999年東京都生まれ。物心ついた頃から文字や数字に1つずつ色を感じながら暮らしてきた。17歳の時にはいz右手、それが共感覚と呼ばれる稀な感覚であることを知る。
◯書籍の概要
才能という表現が用いられていますが、著者の苦労体験や発見、培ってきたことなどの日常をありのまま記した稀有な記録となります。
知らない人が共感覚について聞いたとしたら、「?」が浮かんでしまうだろう。実際に文字に色が見えるというのは「赤=緑色」「青=黄色」のような色に見える不便さがあったり、6と言われると青色、8と言われると紺色のように数字を聞いても色で覚えていたため、6と8で迷ったりしてしまう。
著者が共感覚の存在を知ったのは17歳の時で、当時高校の先生に打ち明けたことがきっかけで発見することができた。周りと違うことの嬉しさと、それじゃあみんなは、掛け算九九や歴史の年号はどうやって覚えているのか?など混乱することもあったそうです。
そんな共感覚は誰でも幼少期にはあったかもしれないと言われている。
(引用)
幼い乳児は、五感のいずれかに振り分けられたここの刺激を認識するのではなく、エネルギーのパターンとしてすべてをひとまとめに受け止めているのだ。時間の経過にしたがい、脳も発達し、その機能が分化されていく。乳児期に見られてた共感覚的な融合はすたかを消し、幼少期から大人にかけては書く感覚に振り分けられて知覚されるようになる。
著者はタワーカップというコップを重ねたりして遊ぶおもちゃを幼少期から与えられ、各色分けされたコップに数字が割り振ってあったと言われており、色字にも影響しているものがあったという。
実際に関係があったかは本書では語られていないが、色字に影響していることは幼少期からの出来事が強くあってもおかしくはない。
このような誰しもがなる可能性があり、本人は当たり前だと思っていたこと。周りとの違いがあることなど違和感を知ることは恐怖にもなりかねないのに著者は進んで共感覚について学んでいる。
◯総括
創造もできないことを知ろうとすることは容易ではない。実際に「あ」と思い浮かべて赤色だったらトマトを思い浮かべて赤色が当たり前のように出てくるようなものと言葉にすると表せるらしいがはっきりとそうではないらしい。
理解できないことを理解しようとするよりも「こういう人がいるんだな」と知っておくことで著者が出会った高校の先生のようなきっかけを与えたり、一緒に歩める道があることを話していけるのではないか?と思える1冊でした。