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売れるコンセプトのつくり方~ケーススタディあり

*この記事は、商品・サービスを持っているフリーランス・ひとり社長向けです

アンド・ステディという靴のトータルサービスサロンを、東京・大阪・福岡の3店舗と代理店16店舗運営しています。創業70年の靴のメーカーの第二の創業として新たなコンセプトを構築し、スタートしました。2013年よりオーダーメイドシューズを提供しています。

アンド・ステディがどのようにコンセプトを作り、世界観を整えていったか、具体的な数字を挙げながらケーススタディとしてご紹介していきます。

お客さま=ターゲットと読み替えてみてください。

2024年現在のアンド・ステディ公式サイトのTOPページ

売れる動線には一貫した世界観が必要

アンド・ステディでは、最初から「靴に困る女性」とターゲットは決まっていました。なぜなら、私自身が魚の目という足トラブルを持ち、足に合う靴がなくて困っている女性だったからです。

さらに、事前の調査とデータ収集に3年かけることで、ニーズがあるかも?から、確実にニーズがあるという確信に変わりました。

はじめは、靴のお悩みを聞いて、足を計測して、少しだけ木型に補正をいれるオーダーメイド靴店としてスタートしました。評判が評判を呼んで、スタートして4ケ月目には月商100万円を達成しました。

オープンしてすぐに日経ヘルスからの取材がはいりましたし、いい!ではなくて、なんかいいかも?!と思われる見せ方、集客のための世界観づくりには成功していたのだと思います。

はじめの頃はまだ、商品アイテム数は少なかったですが、徹底的にお客さまに寄り添って、どうしたら靴のお悩みを解決できるか?を考え、靴の企画をまわす日々でした。お客さまのお悩みを深く、深く伺うカウンセリングをベースに、より快適な靴づくりのための補助輪として、インソール、テーピング、歩き方という武器を研ぎ澄ましていきました。

靴が合わないというクレームが来ては木型を新たに削って、靴を作り直し、またフィッティングしていただく、というPDCAを重ねることで、どんどんノウハウが蓄積した時期でもあります。

商品開発がものすごいスピードで進んだことも含めて、すべてが万事、スーッと進みました。

企画・商品・集客の世界観の不一致ということがほぼ起こらなかったのは、事前調査に時間をかけて、300枚のフットカルテと言うデータを収集して、事業的にも、心情的にも、もうこれ以外ないよね、というところまで思い込めたからだと思います。この分析が徹底していればしているほど、コンセプトはどんどん尖って、ビジネスの核にたどり着けるから、その後の修正は大きなものにはならない。ブレなくなるからです。

焦って立ち上げる前に、企画・商品・集客において、もうこれ以上、できることはないか?を考えるのが売れるコンセプトづくり、世界観づくりの近道だと思います。

コンセプトづくりの前に要注意!3つのコト

コンセプトを構築するに当たり、これだけはやらないように、と気を付けたのがこの3つです。

1.スペック押しをしすぎない

この革はいいんですよ、このソールはノンスリップですよ、中に使ってる材料は高級品で、、、ついつい語りたくなる靴のスペック。うちはメーカーなので、特に気を付けました。モノがいいのは、当たり前。

でも極端な話、お客さまは、足が痛くない靴ならなんでもいいのです。スーパーで買った4,900円の靴が抜群に歩きやすいということもありますし、ルブタンの14万円のパンプスで足が痛くなることもありますからね。

「足が痛くならないように、●●した」という語り方を意識していました。

あなたが、どんなにすごい資格を、いくつも持っていても、お客さまには関係ありません。信用度が多少高まるくらいでしょう。

売れてる人ほど実績押しをしますが、それもどうかなぁと思います。事例はもちろん必要ですが、お客さまは、お客さまご自身の未来が見たいのです。

2.ニーズやウォンツに焦点を当てすぎない

お客さまのニーズを深く聞いていくと、最初のお話と全然違うじゃないですか?!と新たなニーズが発掘されることも多々あります。お客さまご自身が気づいていないことを気づかせてあげられるカウンセリング力が絶対に必要ですね。質問する力がベースになります。

ニーズとウォンツのズレがあれば、一致させてあげることが必要です。ここが一致していなければ、クレームになります。

そして、繰り返しになりますが、お客さまは自分の未来が見たいのです。
現状を正確に共有して、明るい未来を鮮明にお見せする。

このギャップを埋めたい!と思わせるコンセプトづくりが必要です。

3.ターゲットを広げすぎない

「誰か、助けて!」だと、誰も振り返りません。
「そこの青いシャツのあなた、助けて!」がコンセプトにも必要です。

当初、アンド・ステディは、婦人靴メーカーだから女性限定の靴店になるだろう、と思ってました。そもそものターゲットは、人口の50%。

さらに、お仕事をしていて、毎日長く靴を履く必要があり、足トラブルがあるけれど、足に合う靴が見つからない、35歳以上の女性、まで絞りました。

ペルソナが必要とマーケティングの世界では言われますが、それはその通りだと思います。アンド・ステディでは、ペルソナの山口さんがいます。山口さんという具体的なお客さま像に向けてSEO対策記事やメルマガを書くと、面白いくらい反応があります。

企画・商品・集客の世界観が一致していれば、それほど、刺さる。だから、アンド・ステディは集客に困ったことは、ほとんどありません。

どうやってこのコンセプト、世界観をつくりあげたかって?

それを今からガッツリと解説します。ケーススタディですから、アンド・ステディの事業としての具体的な数字も出していきます。

「これ、事業を始める前に教えて欲しかった」とよく言われる「売れるコンセプトづくり6つのステップ」とは・・・


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