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8月11日は「山の日」 意外と身近な「山の神様」
8月11日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」を趣旨として制定された国民の祝日、「山の日」です😊
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◆2016年に新設された「山の日」
山の日は、2016年(平成28年)に施行された比較的新しい祝日です。
この「山の日」の新設により、今まで祝日のなかった8月に祝日ができ、祝日がない月は6月と12月だけになりました。
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山が身近にある日本では、国土の7割ほどが山地と丘陵地であり、さらに国土のおよそ3分の2は森林に占められています。
いかに私たちの身近に山や緑が存在するかがうかがえますね🏔
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◆富士山に憧れた江戸っ子たちと「富士信仰」
「日本の山」といって、一番に思い浮かぶのはやはり日本一の霊峰・富士山ではないでしょうか。
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関東一円で目にすることができる富士山。
その姿を目にするだけで、その大きさ、荘厳さに圧倒されます…😊
古来から人々の崇敬を集めてきた富士山に登ることで、ご利益をいただきたいと考える人が増えるのは当然のことでした。
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室町時代以降は庶民の間でも富士山の登拝が盛んになって行きました。
当社の境内には富士山の溶岩を用いて、富士山を模して作られた富士塚「下谷坂本富士」があります。
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富士山に誰もが行けるわけではなかった時代、その霊験あらたかな姿を伝え、遥か遠くの富士山を拝むための遥拝所として築山されたのがこの「下谷坂本富士」なのです。
文政の時代(1828)に大修復された下谷坂本富士は、今も当時の姿を残しており、国の重要有形民俗文化財にも指定されています…✨
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このような富士塚は、主に江戸時代に作られた大小さまざまなものが東京都内に200以上はあるといわれています。
いかに富士山が、江戸っ子たちに愛されていたのかが分かりますよね😊
そんな下谷坂本富士は、6月30日・7月1日の年2日、一般の方も登拝できる機会「お山開き」を設けております。こちらも併せてご覧ください🎵
◆江戸時代に隆盛を極めた「山岳信仰」
世情が安定し交通網が発達した江戸時代も中期を過ぎると、富士信仰の流行と時を同じくして江戸の町には関東近県の山岳信仰が隆盛を極めました。
日本の山岳信仰とは、山に宿る神様や山そのものを神聖なものとして思いを寄せる信仰です。
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当社境内にも末社として、長野・木曽の御嶽山に鎮座する御嶽神社が設けられ、相殿で埼玉・秩父の山に鎮座する三峯神社が大正時代よりお祀りされていますが、それらもやはり、“行けないけどお参りしたい”という地域の信仰者(講組織)の強い信仰心に応えたもの。
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頻繁に本社に参詣が出来るものではないので、平素は自宅の神棚でお札をお祀りし、節目節目に神社に詣で祭礼を行い、一年に一度、代表者で本社に詣でお札をいただくという形が通例だったようです。
こうした江戸中期頃から広まった山岳信仰は、関東一円に信仰を広げていきました。
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当社では近年まで御嶽神社は大神講社が、三峯神社は入谷講社によって祭典が執行されていました。
時代は経ても、江戸時代からの山の信仰を今に伝えているのです…😊
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