最古の歴史書『日本書紀』を読む① ~天照大神が授けた三つの神勅~
今回は、日本最古の歴史書である『日本書紀』についてのお話です。
『日本書紀』は歴史書ですし、読むには翻訳や背景の理解が必要かつ内容も難しい…というイメージがある人も多いかもしれません。
しかし、どこかで聞いたことがあるような神話をベースにわかりやすく語られており、相撲に結婚・離婚、稲作や皇室など、“様々な物事のはじまり”が描かれている書物で、日本の原初を知る大きな手がかりでもあります😊
実際に読んでみると、日本の国柄への理解が深まるだけではなく、分かり易く怒ったり、拗ねてみたりとどこか人間らしさを感じる神様たちにも親近感を感じるはず…🎵
『日本書紀』には、日本の成り立ちそのものが描かれており、現在に繋がる様々な原初"origin"が記されているのです。
いざ、日本書紀の世界へ出発…!
『日本書紀』と天皇陛下
日本書記の中では、天皇陛下と神話の神々との関係性が克明に描かれています。
それはつまり、現在の日本の国の統治に至る物語であり、今上天皇の徳仁陛下まで126代の皇統に続く天照大御神の子孫が、この日本という国を統治していく物語でもあります。
その中でも、『日本書紀』が描かれた時代から今現在に続く、皇室の歴史や日本の文化に深く関連する3つのお告げ(神勅)があります。
まずはこの、天照大御神がもたらした「3つのお告げ」について解説します。
「天壌無窮の神勅」
この最初の神勅には、この豊かな稲穂が実る日本という国は、天照大御神の子孫が治められる国であり、末永く豊かに続いていくことが示されています。
これは皇統の正当性を表し、“天皇陛下が日本の国を治められるということは、天照大御神の子孫が日本という国を治めている”ということでもあります。
「宝鏡奉斎の神勅」
天照大御神は「これを私だと思い、祭りを行うときの神鏡として崇め奉りなさい」と鏡を授けられました。三種の神器の一つでもあるこの鏡は神宮(内宮)の御神体として祀られています。
鏡は天照大御神を表し、曇りなき自身を映すもの。
偽りのない誠実なこころで国を治めて祭祀に努める、天皇としての生き方を教えたものです。
天照大御神をお祀りすることは、ご先祖様を敬うことにつながります。
この神勅は、宮中祭祀が現代まで厳格に引き継がれた大きな理由の一つでもあります。
「斎庭稲穂の神勅」
天照大神は稲穂を授け、「この稲穂を育てて国を治めて繁栄させなさい」とお導きになりました。
毎年10月17日に行われる神嘗祭や11月23日の新嘗祭はこの神勅に由来する大切な祭祀です。
日本人がお米を大切に、稲作を大事に守り続ける理由は、この神勅に根源があると言えます🌾
こうした「三大神勅」をはじめ、『日本書紀』には現在の日本が持つ様々な文化の基となっている話が多く記されています。
読んでみると日本の国柄や世界感といったものが詰まっていますので、きっと数々の神話と、現在の日本を結ぶ無数の発見があるかと思います💡
歴史は途切れることなく繋がっています。解説や要約された書籍も多く出版されていますので、この機会に是非お手に取ってみてください😊