「夏越の大祓」でケガレを清め、来る下半期の充実を祈る
梅雨の6月は、祓えの季節でもあります。
上半期の最終日である6月30日には、当社本殿前で16時よりこの半年のケガレを祓い清めて下半期の充実を祈る「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」が斎行されます。
大祓式は、個人のお祓いにとどまらず、そこに暮らす皆が健やかな生活を送ることが叶うようにと、701年の大宝律令で制定されて以来1300年以上の長きにわたり、宮中を始め全国の神社などで行われてきた大切な神事です。
この半年の間に知らず知らずのうちに積もったケガレを落とし、残りの半年を清らかに過ごしましょう✨
◆半年のケガレを祓う「夏越の大祓」
一年を半期に分けた毎年6月30日と12月31日の2回、「大祓式」が行われます。
式では、半年間を過ごし気が枯れた状態(ケガレ)を様々な方法で、幾度も祓えを重ねることにより、気を良める(清まった)元の活力が溢れる状態に戻します。
ケガレとは、生気が弱まった「気」が「枯れ」ている状態。
ストレスが溜まり、心が疲れた状態を指します。
普通に生活していても、知らず知らずのうちに大小さまざまな過ちを犯したり、不浄やネガティブな事柄に触れることでケガレを身体に溜めてしまいます。
ツミやケガレが蓄積された状態は、例えるならば「泥沼に足を取られ、思うように動くことができない状態」
半期に一度、それを祓い清めて快復させるのが、この「大祓式」なのです。
幾重にも祓えを行うことで本来の活力に溢れた充実した状態に戻し、素直で清らかな心に立ち返ることを期する神事です😊
◆生命力に溢れる「茅の輪」をくぐる
6月も下旬に差し掛かると、境内に茅がやで巻いた大きな「茅の輪」が設置されます。
この時期、多くの神社で設置される大きな輪に見覚えのある方も多いのではないでしょうか。
この「茅の輪」とは『備後国風土記』に登場する「蘇民将来の逸話」に由来するもの。
この逸話にあやかり、この時期には "茅の輪を腰につけてお守りにして災いを逃れる" という信仰が生まれました。
この「茅の輪のお守り」は時代を経て次第に大きくなり、各地の神社に設置された大きな茅の輪をくぐることで罪や災いと取り除く神事と変化していったと伝えられています。
茅の輪は左、右、左と八の字に三度くぐったのち、半年間の無事を神さまに感謝し、残りの半年間の無病息災を祈ります。
また、7月の中旬頃まで授与所にて「茅の輪守」のご用意もございます。
是非この機会にお受けいただき、悪疫の退散と下半期の充実をお祈りください。
◆形代にケガレを託す
古来より、水で身体をすすいで禊を行ったり、専用の道具を使って心身のケガレを祓い清めてきました。
ご参拝の際に「手水」をとられ心身を清めてからお参り頂くのも、ひとつのお祓いの形になります😊
「大祓式」でのお祓いの際に、ケガレを移して自分の身代わりとして清める「形代」を用います。
式にご参列が難しい方も、この「形代」という、お祓いの道具を用いて自身のケガレを移すことで身を清めることが可能です。
紙で作った形代で全身を撫でることで体の「外側のケガレ」を、息を吹きかけることで「内側のケガレ」を移します。
「形代」は社務所にてお分かちしていますので、6月29日迄に氏名、生年月日を記入し、初穂料を添えてお納めください。
神事にて祓い清めた後、お申込み頂いたご住所へ順次神札等をお送りしております。
◆1300年以上の昔から続く心身の整え方
大祓式では、半年の間に溜まったケガレを祓い清めることで、元の良い気の状態に戻します。
祓を受けることで「元気モリモリ!」ではなく、
「フラットな凪の状態」に戻るというイメージが適切かもしれません。
大事なのは、ただ願うだけではなく、自らが“祓う”という目に見える行動をすること。
単に祓えを求めるというわけではなく、自ら形代で祓い、茅の輪をくぐり、大祓詞という祝詞を参列者全員で奉唱します。
そして、参加者全員で個人の清浄にとどまらない“社会の清浄を願う祓えの祝詞” (大祓詞)を願いを込めて、言霊を込めて声に出して読み上げ、神様にお伝えすることで、互いに清められていくという側面も多くあります。
この節目に立ち止まって心を静め半期を省みて立ち返る。
祓えを行い、本来のフラットな心身を取り戻し、活力に溢れた しなやかやかな心身で次の半期をお進みいただくという、1300年以上の昔から続く心身の整え方でもあります。
6月30日は当社境内にそびえる天明年間(1782年)に築山された富士塚「下谷坂本富士」の「お山開き」と同日の斎行となります。
半期の節目に清まった心身でご登拝いただき、下半期の充実をお祈りください!
半期に一度の心身の大掃除、清々しく次の半期に臨みましょう!