お”むすび”、”むす”こ・”むす”め、”むすび”の言葉…「結び」付くことで生まれる力
今月末まで授与している「みのり・むすび」特別御朱印。
こちらの御朱印で、キーワードとなるのが「むすび」という言葉です🎀
皆さんは、「むすび」という言葉から何を思い浮かべますか?
「結ぶ」という言葉には、“ひも状のものをくくる”という意味のほかにも「繋げる」「まとめる」「創る」「固まる」「締める」のようなさまざまな意味があり、「人と関係をむすぶ」「契りをむすぶ」といった“ご縁や心をつなぐ”意味でも使われます。
古来、願いを込めて結ぶことは、“人の想いまでをも留まらせることができる”と考えられていました。
神社でも「しめ縄」という形で幾重にも結ばれた縄で結界を張ったり、願いを込めておみくじを「結ぶ」行為など、日本には「結び」に関する文化が多くあります。
例えば、結婚式やお祝い事などめでたい場で使われる水引。
こちらも「結ぶ」ことにより、“人と人を結びつける”という意味が込められています。
「結び」の挨拶なども、締めくくりにその集まりの意義を再確認して、人と人の心を結ぶものですよね。
このように、私たちの生活の中でも「結び」の意図を忍ばせたモチーフや言葉は、意識すると至る所で目にすることができるのです♪
◆「結び」の語源は日本神話にあり!
「結び」という言葉のルーツは、日本神話に出てくる「産霊」(ムスヒ・ムスビ)といわれており、古来から神道においても大事な観念として語り継がれています。
「ムス(産)」には“生み出す”、「ヒ(霊)」には“神霊の神秘的な働き”という意味があり、ムスヒ(産霊)とは、「結びつくことによって神霊の力が生み出される」ことだと解釈されています。
日本最古の歴史書である古事記には、“天地が形成された始まりの時に、天之御中主神、高御産巣日神(たかみムスヒのかみ)、神産巣日神(かむムスヒのかみ)という三柱の神が現れた”と記されています。
この中の2柱の神名にも「ムスヒ」が見えることなどからも、「天地万物を生成する霊妙な力をもつ神霊」とも定義されています。
いかに「産霊」が大事にされてきた観念であることがうかがえますね♪
また、自分の子どものことを「息子(ムスコ)」「娘(ムスメ)」といいますが、実はこちらの言葉もムスヒ(産霊)から生じた言葉なのです。
「息子」は<むすびひこ・産彦>、「娘」は<むすびひめ・産姫>という言葉の略称なのだそう。実は、いろいろなところに「ムスビ」という言葉は隠れていたんですね!
◆新嘗祭と「むすび」
今月11月23日には「新嘗祭」があります。
新嘗祭は、その年の収穫に感謝して初穂を供えて神々をもてなし、共に食すことで契りを深め神様の御力を戴く。
宮中の恒例祭でも最も大事にされている儀式です。
また、新嘗祭はその年の勤労で結んだ成果を国民一体となり神様に捧げ、そのご縁を深く「むすぶ」儀式でもあります。万物に神が宿ると考えられていた古来の日本では、物の結び目にまでも神の心が宿っていると考えられていました。
「あらゆる“ムスビ”に感謝して生きる」ということには、先人たちの“万物との調和を尊ぶ心”が生きているのですね…!
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11月は『むすび🌾』がテーマ✨
日常の中でも御神縁に想いを馳せ、神苑の空気や四季の彩りを感じていただく一助になれば幸いです🙂