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平安時代の常識を覆す格差婚を実現させた、一通のラブレター💌

ようやく秋風が心地よく感じられる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。



◆意中の人の父親に? 不可能を可能にした奇跡のラブレター


当社御祭神である小野たかむら卿がその生涯を送った平安時代のお話。

当時、上級貴族である藤原家の大臣が、身分も低い大学寮の学生を娘婿に迎えることは考えられないことでした。

そんな不可能を「可能」にしたのが、篁卿が送った一通のラブレター。
それも、意中の人の“父親”にあてたラブレターでした。

春夏秋冬、めぐる季節の中で想いを込めた恋文をしたためる篁卿。

やがて想いは伝わり、祝言を挙げることとなります。

この「恋文」特別御朱印は、そんな不可能を可能にした篁卿の奇跡の恋文をモチーフとして奉製いたしました。

 

◆篁卿が贈ったラブレター「奉 右大臣書」

 「奉 右大臣書(右大臣 藤原三守に奉る)」

学生である小野篁 恐れかしこまり謹んで申し上げます。
あなたの十二番目の御息女は、婦人の持つべき四つの徳を持ち、人としての六つの徳目に欠けることのない素晴らしい令嬢であると伝え聞きました。
叶うならばお許しをいただいて、夫婦の絆を固く結びたいと存じます。

本朝文粋ほんちょうもんずい  巻七』より一部抜粋

ちなみに、ここで書を送った〝右大臣〟とは、天皇を補佐する左大臣に次ぐ高位の役職です。

当時の求婚は和歌を相手に贈ることが一般的でしたが、篁卿は学生の身分でありながら圧倒的な格差婚を実現させるため、相手の父である右大臣に技巧を凝らしたラブレターを贈りました✊

この恋文で自らの高い教養と圧倒的な才を示し、奇跡的な結婚に至ることができたのです😊

そしてこの時のラブレターは、『本朝文粋ほんちょうもんずい』という 平安中期の勅撰ちょくせん名詩名文集に収録され、プロポーズの模範文として後世に残ってしまうという、嘘のような本当の話…!

「本朝文粋 巻七」

十月には同じ若年期の篁卿をモチーフにした「文武芸道」特別御朱印もございますが、篁卿は帰京して十八歳を過ぎてから勉学をはじめ、当時最難関であった文章生試もんじょうしょうしにわずか三年あまりで合格。

「文武芸道」特別御朱印

そして、二十歳そこそこという若さで、学者・詩人としての一歩を踏み出すと同時に、この恋文により上級貴族の娘婿むすめむことなりました。

その後も、圧倒的な才を遺憾なく発揮することで破竹の勢いで昇進を続け、四代の天皇に深く仕え、寵愛を受けることとなりました。

小野篁卿

現在は、学問、芸術、芸能、そして仕事のあらゆる側面において、広く信仰を捧げる神様として小野篁卿は篤く信仰されています。

お参りの際には、御神前にて篁卿の御存在を感じていただき、緑あふれる境内の中、心穏やかなひとときをお過ごしください。


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