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まぐろ大トロ丼
我慢が出来なかった。近所のスーパーマーケットで鮮魚売り場を眺めていたら鹿児島産の養殖まぐろの大トロ刺身を売っているのが目に入った。目が釘付けになった。もうどうしようもなかった。お値段もお手頃な(1200円くらいだったかな)ところだったので見過ごすことが出来なかった。その大トロのパックを買い物かごに入れ、レジで精算し、エコバッグに他の買い物と一緒に入れて、走るようにして(気持ちだけ走って実際には早足程度)家に帰った。途中誰かに呼び止められて「大トロを買いましたね、それをどうするのですか」と訊かれたらどうしようと怯えながら。怯えたわけではないが。でも何だかとても後ろめたいような不思議な気持ちになった。子供の頃に煙草を買ったような感じか。お父さんが吸うんです。お父さんが買ってこいって云ったんです。誰かに訊かれたらそう答えようとずっと頭の中でリフレインさせながらドキドキして歩いていたあの感じ。全然違うか。まあなぜかドキドキしたんです。はい。
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買ってきたのはこんなヤツです。とろとろでしょ。急いで御飯も炊きました。炊きたての御飯に載せて食べようと思ったのです。その衝動を止められませんでした。僕はそう云う人間です。欲まみれです。
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御飯さえ炊ければほぼ完成。まぐろ大トロ丼の完成。ここに至るまでにちょっと色々な経緯があったのでそこから説明する。
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随分前になるがこんなものも作っていた。お正月に須藤祐くんが手配してくれた石垣島産まぐろを使ったまぐろ漬けと中トロ丼。赤身の部分は漬けにしてみた。酒とみりんを煮切って醤油と合わせて漬けだれを作り、赤身を入れて暫く休ませて漬けの出来上がり。中トロはそのまま使って二色レイアウトとした。
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ウマウマウー。昨年札幌で食べたトリュフまぐろ(まぐろの漬けにトリュフの香りを合わせてある)が大変に印象的で、自分でも少しトライしてみたのだが、ピッタリとハマることが全くなく(トリュフエッセンスやトリュフオイルやトリュフ塩など色々試用)自分が食べたのはプロの技であったのだと重々実感した。自分で作れるのはスタンダードな漬けまでだ。心しておこう。まあ何でもやってみたがり屋なんですすみません。そしてこの二色丼もなかなかウマかったのであるが、漬けには白飯よりも酢飯がマッチするのではないかとか色々また余計なことを考えてちょっと納得がいかない部分があったのも事実。ちょっと心残りがあった。それが後日の大トロ衝動買いに繋がったと思われます。はい。
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脱線するがまぐろの切れ端とか筋とか血合いのところをニンニクとショウガと醤油などで味付けして時雨煮風のものも作った。これが御飯と大変に合う。まぐろ時雨煮丼とでも名付けようか。
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ウマウマウー。たまらなくウマイ。もっと大盛にしたのを写真に撮れば良かったか。ちょっと食べたら止まらなくなった。僕は魚の血合いのところが大変に好きで、焼き魚の皮と一緒に血合いのところを残している人がいるとどうしてこんなにウマイ部分を残すのかと不思議に思う(僕は皮も食べる)。今度この血合いのあたりの時雨煮をちゃんと作って時雨煮丼の記事も書こうと思う。
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本筋に戻る。まぐろ大トロ丼だ。見るからにとろとろのとろっとろである。お上品なところは全くない。ハッキリ云えばお下品である。でも自分の中にこのお下品さを愛でる気持ちがあるのを知っている。それはロック魂とかに近いものだ。お上品に気取ったロックなんてロックじゃない。でもそう云う中にも圧倒的にイイ曲があるんですけどね。だからもうお上品でもお下品でもどっちもイイものはイイともう往年のスネークマンショーのようになったけど、ああもう上手く説明出来ないな。ああもう人間なんてでも風に吹かれてでもウィアーザワールドでも何でも持って来やがれってんだー。どうした俺。落ち着け。
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ほれほれ。
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ほれほれ。ワサビ載っけちゃうぞ。
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ほれほれ。お醤油もかけちゃうぞ。
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これでどうだ。イタダキマス。
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ウマウマウー。お下品だろうが何だろうがどうでもいい。食べるとまぐろの脂が口の中でびしゃっと溶けて広がる。その脂と醤油の風味が御飯と一蓮托生となって悦楽の音色を響かせる。ああウマイ。もう後戻りは出来ない。僕はこれからも大トロを愛し続ける。スキスキスー。アイシテマス。
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ウマウマウー。大満足である。御満悦である。今回は何だか凄く乱暴な気持ちを吐露してしまった気がする。トロだけに吐露した、なんちゃってー。何だか随分とふざけたじじいになってきたようだが温かく見守ってください。最近は一日一万歩くらいを目処に歩くようにしています。iPhoneに歩数計アプリが入っていたので一目瞭然。元気なふざけたじじいになれるようがんばります。
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