インソールって何?
世に「インソール」という言葉が飛び交って久しいですが、その言葉を聞くと非常に違和感を覚える私…(^-^;
まずは「インソール」を語るうえで、靴の構造を知らないといけませんので、まずはソコんとこ軽~く説明します!
靴は底側からアウトソール、ミッドソール、インソール、インナーソールという部品で構成されています(上図参照)。
「アウトソール」
日本語では本底といい、靴の一番底にある部品で地面に直接する部位ですね。そのため強度・耐滑性などが求められることから、硬めの素材が用いられます。
「ミッドソール」
靴底から見てアウトソールの内側(上側)にあって、主に衝撃を吸収するクッションの役割を担います。そのため柔らかめの素材(主にEVAといわれる素材)が用いられます。
「インソール」
日本語では中底といい、靴底からみてミッドソールの内側(上側)にあって、インソールとミッドソールの間にアッパーを挟み込み固定し、シャンクといわれる靴をねじれから安定させる硬い素材を仕込み、隙間を中物で埋めて平らにしています。
「インナーソール・ソックライニング」
日本語では中敷きといい、靴底から見てインソールの内側(上側)にあって、足が直接あたる仕上げ材的な役割があります。靴に接着固定している場合と、のせているだけの場合があります。
あれ?…おかしくないですか?
インソールといえば中底、それは靴を構成する構造物で基本的に外れるものではありません。外せるのは一般的に仕上げ材である中敷きでありインナーソールとかソックライニングなどといわれる物です。
靴の構造について正しい知識を持った方なら「インソールを作った」といわれれば、靴の構造物を作ったとみなされるので、靴を作ったんかいな!?…ってくらいな勢いで考えちゃうわけです…( ̄▽ ̄)
中敷きと中底は違うものです。世にインソールと表現されている物の多くは一般的に中敷き=インナーソールです。
中敷きをインソールと表現するのであれば、もともと入っている中底(本来はこれがインソール)はなんと表現するのでしょうか? 中敷きをインソール、中底もインソール…といえば同じ物になってしまい区別がつきません…(汗)
おかしいですよね?
なので私はインナーソールのことを巷の方々が言う「インソール」とは言わず「中敷き」と表現するようにしています。
ちなみに…インナーソールという言い方は日本で出来上がった造語のようで海外では通用しなくて、ソックライナーの方が通じるよう?…そのあたり詳細は知りませんが…誰か教えて…(^-^;
靴によっては…(コスト削減のためが大きな要素だと思いますが)…中敷き(インナーソール・ソックライナー)と中底(インソール)を一体化したものもあり、また、日本で整形外科靴として広く認識されるようになった一部の西洋靴は同様の構造をしていることから、その靴をいじるときはまさに「インソール」をいじることになるので、なんでもかんでも「インソール」と混同し表現されるようになったのかもしれません。しかし、それをすべての靴に言うようになれば、前述の如く中敷き(インナーソール・ソックライナー)と中底(インソール)の区別ができませんからね!?…ソコんとこは専門家たちがキチンとしないといけないと思ってるんですけどねぇ…その専門家たちも、世の中でインソールという言葉が乱立しているのでなし崩し的に使ってる…という感じもあり、そんな言い訳も聞いたことがあります…イカン事だと思いますけどね…(-_-メ)
ところでつい先日…2024年1月16日の某公共放送朝番組にて「インソール」を話題にした番組が放送されていましたが…
そこに出演する医師や出演者皆が「インソール」と連発しているのには閉口したものの、唯一副島さん一人だけが「中敷き」と表現されており、それにはいたく感心しました…^_^
メディアは正しい情報を発信してほしいですね!…とともに、靴に関わる方々も正しい発信をしてほしいですね!
ココで言われていた「かかとガサガサ」にも意見あるんですけどね…( ̄▽ ̄)
それは後日改めて書きたいと思います!…^_^