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【詩】 踊る人形 2

真夜中の凪いだ水面に
あなたはそっと現れて
ステップを踏む
ステップを踏む
音のない暗い水面で
音もなくステップを踏む
微かな足元から
うっすらと輪が広がる
いくつもいくつも輪が広がる
輪はあまりに薄くて
すぐに消えてしまって
水辺まではとても届かない

真夜中の凪いだ水面は
照明も客席もない舞台のようで
ものを言わない
表情を変えない人形がひとり
音楽もなしに踊る
黙々と踊る
その動きはかろやかで
線の細い
暗く微かなシルエットの
宙に浮いたような足元から
まるい輪が生まれ
生まれては消え
生まれては消える





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