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【詩】 うず

橋の上に立っててさ
絵筆でぐるぐる引きのばしたように
空にはいろんな色が弧を描いて
色とりどりにうず巻いて
橋の上から見ながらさ
それが朝焼けなのか夕焼けなのかも分からなくて
自分がなぜここに立っているのかも分からなくて
ただ色とりどりにうず巻く空を見ながら
体が後ろに倒れて
ゆっくりゆっくり落ちていく感覚を
体じゅうで感じてるのに
目に映る景色はずっと、橋の上から見はらす空で
何を描いているのかも分からず
ただ色を並べているような
キャンバスを放ったらかして
パレットの上で遊び呆けているような
ごちゃごちゃの中に体が紛れて
混じって飲み込まれていきそうな
くるおしい色彩のうずの中を
あざやかな色彩のうずの中を
泳いでいるのか落ちているのか
いま何色の中にいるのか
なんにもわからないまま
空に浸っている
橋の上から空を眺めて
と同時に空の中に揉まれて溶けて
かたちを失って
色とりどりに弧を描く
空に浸っている





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