【詩】 水面の上
何もない頭の中に
海が広がっている
青い青い海が
どこまでも広がっている
風もなく波もなく
船も、島の影もなく
青く青く広がっている
水面の上に立つと
足もとに輪が広がる
まるい輪が
少しだけ広がって
うすれて消えていく
足ぶみするにつれ
広がっては消えていく
からっぽのあたまのなかに
からっぽのそらとうみ
ほかにすることもないし
みなものうえでおどろうか
わん、つー、さんのすてっぷで
くるりとまわってかたむいて
もうここにはなにもないし
このままずっとおどろうか
ふっと足が水面から離れて
体が宙に浮く
うすれて消える輪のように
体が空に溶けていく
何もない海の上に
何ものこさず消えていく
跡形もなく消えていく
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