サロペットと大林映画
サロペット、というべきか、オーバーオールというべきか、少々悩んだが、
サロペットというほうがなんかしっくりくるので、サロペットと言おうと思う。
さて、大林監督の映画で、このサロペットが印象的な映画が三つある。
「さびしんぼう」「ふたり」「はるか、ノスタルジィ」
「さびしんぼう」は、まあ舞台衣装?という設定だからどんな意味づけがあるのか、少し語りづらい、さびしんぼうは常にこの服だし、まあ今日は割愛。
「ふたり」は、演劇部の裏方にまわった実加の心情をよく表している。いつもスカートばかりだった少女の、意気込みが感じられる。だけど、トップスが白いブラウスというのが、たまらない!そこまで用意する時間がなかったのか、わざわざトップスまで作業服みたいにする気が回らなかったのか、色々考えてしまうではないか!
舞台の上から、桜吹雪を散らす、股を広げた姿勢もまた、なんか意気込みというか吹っ切れ感がある、なんか細かいところまで無頓着というか、不安定な足場で安定感を保つ姿勢なのか、色々考えちゃう!
「はるか、ノスタルジィ」のはるかのサロペットは、白地に花柄で膝丈くらいの若々しいデザイン、なんか2019年のトレンドに似通っている。
サロペットは今、トレンドだし、私のような35を過ぎた人間のところにも一枚は存在している普及の速さ。
はるかは、憧れの綾瀬慎介とお茶をする意気込みで、なぜこのサロペットを選んだのだろう。
少し子どもっぽいが、女の子らしい、動きやすく快活な、トレンドを意識した、あまりおじさん受けしなさそうな格好で、自分を演出していたのだろうか。少し警戒心を、もって。
その証拠に、ラスト近くの、重要な場面では、大人っぽく、わかりやすく女性らしいロングスカートを身につけている。
その一歩手前では、W浅野ばりの、ジーンズと白シャツ、シンプルで大人びた服にロングヘアをおろしての登場。
わかりやすい、
わかりやすすぎるぞ、はるか!
私も、くすんだ色のTシャツにサロペット(さすがに無地ですが)を足首上にロールアップして近所のスーパーに行ってみた。
なるほど、案外動きやすいし、なんか子どもっぽいような無邪気な気分だし、どこかおどけているようなピエロな気分だし、
普段着らしい普段着だと思った。
男性に媚びなど売っていませんよアピールな服にも感じる、はるか、の狙いはそこだったのかなあ。え、別に、そういう意味で、お茶のお誘いをお受けしてないわよ、的な?
ピエロ?
さびしんぼうは、やはりピエロだったのだろう。