【尾道移住4年目コラム #4】失敗ってなんだろう
こんにちは。当noteの編集を担当しているアンドウです。2021年2月に尾道へと移住して、4年目の尾道ライフを楽しんでおります。
月1の「移住4年目コラム」、今回は「失敗の考え方」について。自分たちが移住で経た心境変化なんかも思い出しながら、振り返ってみたいと思います。
よほど引っ越し慣れしている人でない限り、「移住」は多くの人にとってまあまあ大きなライフイベント。だからなのでしょうか、「失敗してしまったらどうしよう」という悩みをかかえる方が多いように感じます。
私自身、移住前は「移住して後悔したらどうしよう」と怯えていました。
たとえば、仕事がうまくいかなかったら?仕事をもらえなくて収入がゼロになったら、このさきどうやって生きていけばいいんだろ。人間関係で致命的なトラブルがあったら、もう二度と尾道の土地を踏めないかも。近所付き合いに馴染めるかわからないし、友だちができずに孤独を感じたらどうしよう。
それだけじゃありません。私が良くても、夫がこの土地に合わないかもしれない。逆に、夫は順風満帆なのに私だけいつまでも立ちすくむことになるかもしれない。
そんな心配事で頭のなかを埋め尽くす日々。だから移住前には夫と「どんなに辛くても2年はがんばってみようね」と決め合ったくらいです(笑)どんな四面楚歌な環境に移住するつもりだったんでしょうね。
しかし今になって振り返れば、それはできるだけ最悪をイメージしておいて傷を浅くするという自分たちなりの処世術だったのかもしれません。結局は「好きだと感じた場所で暮らしてみたい」という気持ちに従うことにして、初めて尾道に訪れた日からわずか3か月ほどで移住しました。
そして次の2月で、尾道市民になって丸4年。試用期間と決めた「2年」はいつの間にか2周分も過ぎ去ろうとしていて、少しずつではありますが、定住への意識をかためていこうとしているところです。
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移住を経て私が学んだことは、とにかく”やってみなくちゃわからない”でした。
目の前に分岐があらわれたとき。Aの道を行くのか、Bの道に進むのか迷ったとき。どちらを選んでも最終的に「これで良かったね」と笑えるのは、自分がその道を正解にしようと奮闘した先にあるものです。
そう考えると、失敗は「正解の道」を耕すためのかけがえない肥やしになるといえます。「失敗しちゃったな」って今まさに後悔している人も、もしかしたら次はうまくできるかもしれない。道半ばなだけかもしれない。道ってどこまでも地続きで、どの地点を失敗とし、後悔するかは、あくまで自分なのかも。
たとえば尾道に住んでみて「なんか違うな」と思ったら、別の場所を探してみるのもいい。離れてみたら案外、尾道のことが恋しくなっちゃうかもしれない。移住したはいいものの、さまざまな事情で離れざるを得ないこともあるでしょう。どんな場合でも、「移住した」という事実は残り、なんらか未来の糧になり得るかもしれない。
とにかくやってみなくちゃわからない。
そんでもって、どうせやってみるのであれば心がワクワクする方向に舵を切ってみるのはいかがでしょう。
風に乗って、波に乗って、ときに突風や荒波に立ち向かいながら。どこに行きたいかを決めるのは、自分自身かもしれません。
(移住定住コンシェルジュ:元廣京哉、執筆・編集:アンドウ)