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尾道暮らしは人によっては不便かもしれない、という話

「尾道に移住して困ることを教えてください」という質問をときどきいただきますが、これはなかなか難しい問いかけです。何をもって「困る」と受け取るかは、人それぞれなんですよね。

たとえばどこかへ行くとき、「とりあえず駅に行き、次に来た電車に乗ればいい」という生活は、尾道ではあまり現実的ではありません。
バスで最も便数の多い、国道を走る本線の通勤時間帯でも1時間に5本程度で、JRは1時間2〜4本。尾道で公共交通機関を使うときには、基本的に時刻表で調べてから動く必要があるわけですが、これを「困る」と受け取るのか、「そういうもの」として受け入れるのかは、人それぞれだと思います。

同じように日々の暮らしにフォーカスすると、コンビニやスーパーはあれど、尾道にデパートはありません。チェーン店も比較的少なく、「無印良品」や「Loft」なんかも尾道にはありません。

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そういう意味では、不便さをネガティブに捉える方にとっては、尾道での暮らしはストレスが多いものになるかもしれません。

私自身、尾道暮らしと東京暮らしの両方を経験しました。
東京暮らしを振り返ってみると、ちょっと歩けばコンビニが何か所にもあるし、鉄道は数分に1本やってくるし、地下鉄も深夜まで走っているし、都会での生活はとても便利なものでした。

それでも尾道に帰ってきたのは、私にとっては尾道での暮らしの方が豊かだと思えたからでした。欲しいものがすぐ手に入らなくても、車がないと移動に困るとしても、東京にはないものが尾道にはたくさんあると思っています。

どこで暮らしても全て満たされるということは難しいかもしれません。「自身にとって何を優先して暮らしたいか」――。そんな基準で考えていただくのも良いのではないかと思います。

(移住定住コンシェルジュ:竹國 絵里、編集:アンドウ)

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