明日、名古屋大阪へ!
さて日付が変わった。
明日になれば名古屋シネマテーク、シアターセブンだ。
再会だ。
この作品をどう受け止めてくれるだろう。
ふと思い出して当時のツイートを検索してみた。
たくさんの写真が出てきた。
どれを見てもなんだか泣けてくる。
あんなふうに舞台挨拶をしてそして僕は今も走り続けているのか。
そう思うとなんとも言えずに感慨深い。
特別先行上映という形でケイズシネマを含めた3つの映画館で上映出来ることに心から感謝する。
今の僕は今までの僕で成り立っていて、だからと言って思い出の中に埋没するわけじゃなくて、明日の僕をやっぱり探しているのだとつくづく感じる。
僕はこの3つの映画館で映画『演者』を始めないといけないと思っていたのは、やっぱりその道の上を僕が進んできたからだ。
地図を見ながら辿り着いたあの映画館も。
僕は迷わずに行けるだろう。
まだ知らなかった場所はいつの間にか思い出の地になっている。
どこでコーヒーを飲もうか。どこでランチを食べようか。
当たり前に思い浮かぶ店がある。
きっと街も変化し続けているだろうけれどさ。
初めて今池や十三に降り立った日。
明日のような日がもう一度やってくると考えただろうか?
多分僕は新しい旅の過程でしかなかったはずだ。
切り拓いていくような感覚だったはずだ。
名古屋で。大阪で。
確かに僕は圧倒的な熱量を受け取った。
あれはその後の大きな原動力の一つになった。
その熱量に対して裏切るようなことはしまいと心に誓った。
そこで出会い、その後も応援してくださった方もいる。
そこで出会い、それ以来の皆様もいる。
そこでこれから出会う皆様もいる。
そしてこの作品をまた違った形で受け止めてくれる。
ジョン・レノンという人がね。
ただ地面があるだけで国境なんてどこにもないって歌ったんだよ。
それが朝っぱらからミサイルがどうとか大騒ぎでさ。
勝手に地面に線を引いて、その線の内側だ外側だって騒いでる。
経済水域も38度線もドンパスも全部、ほんとうは共同幻想にすぎないのにね。
意地になっているのは、僕なんかは話も出来ないお偉いさんだけなんじゃないかなぁ。
そこに住む人は普通にその地面の上を歩きたいだけさ。
その観念だけで創った線がいつも僕たちを苦しめるんだよ。
国境だけじゃない、境という境が全て幻想だなんて考えたことあるかな。
そうやって「ほんとうのはなし」だけで僕はもういいや。
だから僕は「ほんとう」を探している人たちが何かを感じる映画を創ったんだもの。
共同幻想なんかこの映画でぶちこわしてやる。
あの日。僕が感じた熱量は、ほんとうだったよ。
形がないから目には見えないし、触ることだって出来ない。
でもたしかにそれはそこにあった。
僕の心は震えて、僕の体は痺れた。
体感は全てを凌駕していく。そこにうそなんかあるわけない。
僕は再び、名古屋で大阪で生きる。ライブする。
その時、その場所で、その瞬間にしか感じることの出来ないものを見つけに行く。
観念の中で生きてればいいよ。
僕は実感の中で生きていく。
また出会うのだ。
僕はきっと時間に出会う。
誰かとの時間を共有する。
天気予報は雨とか言ってるらしいぜ。
それもまたオツってものさ。
今晩僕は旅立つ。
明日、名古屋大阪へ!
映画『演者』
企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル
「ほんとう」はどちらなんですか?
【限定3回上映】
2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)
各回10時から上映
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)
初日舞台挨拶あり 登壇:小野寺隆一
【限定2回上映】
2023年4月15日(土)18:30、16日(日)19:00
シアターセブン(大阪・十三)
予約開始:4月8日9時より
2日間舞台挨拶あり 登壇:小野寺隆一
◆終映◆
2023年3月25日(土)~31日(金)
K'sシネマ (東京・新宿)
出演
藤井菜魚子/河原幸子/広田あきほ
中野圭/織田稚成/金子透
安藤聖/樋口真衣
大多和麦/西本早輝/小野寺隆一
撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟 録音 高島良太
題字 豊田利晃 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希 制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき
【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。
家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。
やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。