特許から教わるかんたんお蕎麦【特許レシピによる料理⑨】
※ 本記事はパテントサロン「知財系ライトニングトーク#15 拡張オンライン版 2022 冬」向けに執筆したものです。
パテサロLT(ライトニングトーク)、5連続5回目の参加です。
そろそろ常連になれたかもしれません。ネタが尽きるまで続けていきたいと思います。
今回は手軽に「お蕎麦」を作ってみました。
特許レシピ:十割そばの作製方法および十割そば手作りキット(特許第6960703号)
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参考にするのはこちらのレシピ(特許)。本発明によれば、家庭でのそば作りを簡単かつ短時間で行うことができるとのこと。
「赤いきつね」より「緑のたぬき」派の私としては、これは楽しみな発明…!私でも実施できるでしょうか。具体的な特許の権利範囲を示す【特許請求の範囲】の記載を見てみます。
これはわかりやすい!!!(毎回お決まりの反応・・)
「加熱そば粉+非加熱そば粉+水」をいい感じに混ぜて作った生地を、袋の絞り口から押し出して熱湯の中へ放り込めばいいんですね。
やってみましょう。
・・と思ったものの、加熱そば粉とは一体何か?調べればいいのかもしれませんが、早く「生地を絞り出して熱湯の中へ放り込む」行為をしたくてたまりません。今回は特許の具体的な権利範囲は気にせず、お店で売っていた蕎麦粉を1種類だけ使用します。それでよしとしましょう。
そしてつなぎとして強力粉も買いました。つなぎを有さない「十割そば」に関する特許ではあるのですが、そこも特に気にしません。
蕎麦粉と水を混ぜて作成した生地を絞り袋に入れます
本特許は権利内容だけでなく図面も非常に分かりやすい…!そば粉11と水12をボウル13に入れ、泡立て器14にてかき混ぜ、絞り袋15に入れている図面ですね。
そば粉、強力粉、水を、1:1:1くらいの雰囲気で混ぜました。
チューっと鍋に向けて押し出します
特許図面ではとても綺麗に「チュー」っと生地が鍋の中へ入っていきます。
生地を細長く押し出すだけで蕎麦が出来る…!
そんな期待を胸に、チャレンジ1回目!
GO!!!
!!!
袋から生地を押し出すことには成功。しかし鍋に入った蕎麦生地は、特許図面から受ける印象とは異なる動きを…。
予想外の振る舞いに動揺したためか、蕎麦の太さはバラバラとなってしまいました。冷静に均一に押し出すよう心掛けるのが良さそうです。
お皿に盛れば不思議とお蕎麦っぽくなりました。そして風味がしっかりして、美味しい!確かに手軽で、楽しくお蕎麦を楽しむことができる発明でした。次はもう少し上手に絞れるようになりたいものです。
「十割そばしぼり」
ところで、この素晴らしい発明は既に製品化されています。大分県中津市の「道の駅 耶馬トピア(やぱトピア)」や 「道の駅 なかつ」にて販売されているとのこと。
実際に絞り出す様子を以下動画で拝見しました。私が絞り出した蕎麦生地は少々細すぎたかもしれませんね。
次は、袋の穴をもう少し大きく開けてチャレンジしたいと思います。
以上
Uchida | 知財ライター
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