「エコロジー・リーディング」実践編〜「海の命」④〜
山本貴光氏の「文学のエコロジー」(講談社 2023年)にヒントを得て、文学の授業実践「エコロジー・リーディング」の開発について考えている。2025年2月1日(土)にKOGANEI授業セミナーにて、「海の命」を使ってその実践を試みる。今回は実践報告④。
※「文学のエコロジー」の感想をまとめたマガジン「エコロジー・リーディング」はこちら↓
解釈図式の破壊と創造
前時の子供たちの振り返りを共有するところから始めた。読みが深まってきて「いろいろな謎が解けた」と振り返っている子が複数いた。
そこで子供たちに「解釈図式」について話をした。読むときには、それぞれ解釈のルールをつくって、そのルールで解釈できる間は、その解釈図式は有効ということだ。
「海の命」では、「太一はおとうのかたきを討ちたいんだ」という図式をつくりながら読んでいくと、最後の場面で、その図式は崩れてしまう。そうなったとき、新たな図式を創造していく必要がある。物語を読むことの面白さは、この解釈図式の破壊と創造にあると感じている。それを子供たちが味わってくれているのが嬉しい。
そしてHさんの「みんなの問いと答えをみるのがたのしみ!」という振り返りを受けて、この時間はそれぞれが考えてきた問いカードと答えカードの交流を行った。サークル対話形式で順に話していき、私が記録をとった板書が以下の写真である。
時間、空間、人物の視点から出された問いと答えを一枚の板書にしたので情報が混み入ってしまったが、自分たちが追究してきた内容を交流できて、それぞれの解釈図式はさらに拡張されたと期待したい。
さて、明日はいよいよKOGANEI授業セミナー本番。当初の計画では、この時間をあてて、それぞれの問いと答えを交流する予定だったが、今の子供たちとならこの先に行ってみたい気がして、計画を変更した。
指導案は先ほど修正したが、こちらにもリンクを貼っておく
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明日は、物語の全体像を捉えることに取り組む。問いは「海の命ってなんだろう?」だ。これは第1時でも取り組んだ問いだ。
今なら子供たちはこの問いに何と答えるだろうか。本文と、これまで考えてきたことの先に、解釈を創っていってほしいと思う。子供たちがどんな答えを出すのか楽しみだ。