【競泳における、スタート時の飛び込みに関する私見】

先日、競泳指導者に意見を求められたので、それに対する私見を述べました。その自分の意見をを忘れないように記録(笑)

ちなみにその時の質問が、

・スタート時にバックレッグ(以下、BL)のつま先を外に向けるのが最近流行っている事について。
・スタート時にBLでの力発揮の割合が大きくなってきている事について。

そうなっている理由について聞くと、

・つま先を外に向けるのは、支持基底面が広がり安定するからではないか。
・つま先を外に向けた方が(股関節外旋した方が)、大臀筋に入ってる(力み、緊張)感覚がある
・BLでの力発揮が強くなってきているのは、フロントレッグ(以下、FL)の膝への負担を減らすため(従来のスタートでは、膝の怪我が案外多い)。

とのこと。


それに関して意見を求められたのですが、僕としては、

「従来の足の向きに戻して、BLではなくFLで踏み切る」

という私見を述べさせていただきました。
なぜか、を以下に記することにします。

って、その前に、つま先外に向けるのが流行ってるって知らなかったー!^^;

○質問内容と、それに対する僕の私見

・支持基底面を広げる

まぁ、これはやりたい理由はわかります。
スタートの体勢に入ったら停止する必要があるので、安定した方が良いに決まってます。
とはいえ、つま先を外に向けることで起きるエラーとして、空中で身体が斜めになりやすいという点があると思います。質問者も「それは起こるケースもあると聞いています」と言っていたので、そのエラーが起こるならつま先は外に向けたくないなと、僕なら思います。
というより、テイクユアマークスからブザーまでくらいは多少不安定でも頑張って静止しておこうよ!と思っちゃいます^^;

・大臀筋に入ってる感

また、股関節を外旋することで大臀筋に刺激が入って出力発揮できそうな気がするという点は……
これがスタート/股関節伸展していく中での話ならわからなくもないけど、セットポジション時となると、どういう感覚を持ってるんだとちょっと聞きたい。
……もしかして、その感覚ってハングクリーン/ハングスナッチなどの、スタートポジションの感覚と同じだから?
まぁ、こればっかりは予想でしかないので、どういうトレーニングをしているのか聞き取りが必要ですけどね。

・スタートにおけるFLの膝への負担を減らすための、BLの力発揮の割合増大

……なかなか難しい問題ですね。
この原因は、やはりバックプレートの出現により、飛び出しスピードが上がった事によるのではと思います。

誰もがそう思っているでしょうが、BLで加速開始しFLでブーストかけるイメージだと思います。それ自体は良い。実際にスタートの飛び出しスピードや距離が伸びているんだから。

で、問題として、バックプレートをBLで押す分速く飛び出せる代償として、FLでの力発揮時に良いポジションにいない。ので、膝に負担がかかって怪我をする。ということなのかな?と。

で、膝への負担軽減のためにBLの関与を増やす……までは良いんですが、そのままBLを股関節外旋位でより強く押すって、別の問題がでてくるんじゃないかな?と思ったりします。

こればっかりは、バックプレートの功罪ということで。
バックプレートを使ったスタートには、まだまだ改善の余地がありそうです。

・スタートの練習で、リニアフォワードギャロップを取り入れる

これらの質問時に、スタートの練習として、

「リニアフォワードギャロップを取り入れてみるのはどうですか?」

との質問をいただきました。
僕としては、良いアイデアだと思います。
BLとFLの役割を明確に分け、出力のタイミングと長さを変えるトレーニングとして、非常に有効だなと思いました。
これに関しては、僕は何も言うことはありません。
その場ではどう有効なのかを長々と喋ってしまいましたが(笑)

○トレーニングの提案

ということで僕の私見を元に(笑)、それを達成するためのトレーニングを考案しました。

・ドロップマットなどを使った、パワーポジションからのハイプル(クリーン/スナッチ)

バーベルの高さがパワーポジションにくるようにドロップマットなどを敷き、その高さからハイプル。
キャッチまでいかないのは単にキャッチの技術があるかどうかの問題で、キャッチ動作が問題ないならフィニッシュまでいって良いと思います。
クイックリフトに慣れているならハングでも良いとは思いますが、競泳選手がクイックリフトのトレーニングをガッツリやっているイメージが無いので、トレーニングをよりシンプルにするためにこの選択をしました。

・リニアフォワードギャロップ

質問者のアイデアを丸パクリです(笑)
BLの出力上げるのは良いですが、長く踏みたくない。FLにスムーズに乗り込む動作を身に付けたい。という事で、ギャロップを選択しました。
リズムと押す強さ長さを学習できる良いエクササイズなので、ここはきっちり押さえておきたいところです。

その前に、BLプッシュとFLへの乗り込み/プッシュのムーブメントファンダメンタルズ的なトレーニングが必要だとは思います。

・リニアフォワードギャロップからの、マットへのダイブ

ギャロップを3〜4ステップ行った後に(柔道やレスリングなどの投げ込み用)マットにダイブします。
ギャロップの感覚を持ったまま飛ぶので、飛び込みの動作や感覚につながりやすいかなと思っています。
最初は高いギャロップで。できるようになったら低いギャロップからのダイブを行ってみてください。


以上、三つのエクササイズトレーニングを提案します。

○まとめ

さて、水泳業界から完全に離れて『動きのレベルアップコーチング指南役』として活動する僕が、今の立場から完全な私見を記述してみました。

競泳スタートのアイデアとして、ぜひご参考にしてみてください!

なお、あくまで話を聞き取りながらの返答なので、現実とは少々違うかもしれません。なのでこれに関しては、競泳のスタート動画をガッツリ見て研究する必要はあるかなと。

ということで「こんな感じですよ〜」と行った感じで、競泳スタートに関する動画などを送ってください!
それ見てガッツリ検証してから、思うところが出てくれば改めてnoteの記事にしたいと思います!

また「この競技のこの動きに関して意見を聞きたい」などあれば、ぜひ動画を添付の上でメッセージください。その場合の動画は、記事に載せて良いものだったらさらに嬉しいです!(笑)

○お問い合わせ

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