ミュージカル エリザベート感想①~エリザベートがよく分からんかったという話~
エリザを観たきっかけ
わたしは花總まりさんが大好き!
今までの人生で「推し」という存在はいなかったけれど、花總さんに出会ってから「推す」感覚が理解った。
そんな新参者が、『エリザベート』を知り、ぜひぜひ観てみたい…と願っていたところ、再演のお知らせが飛び込んできました!
(正確にはテレビ出演など再演を匂わせていたので、確証を得た!という感じ)
しかも、記事には「花總まり 集大成」の文字が!!
これは観るしかない!
せっかく複数回観るのだから、有名作品とはいえネタバレなしで観ようと思い、初回は大まかなあらすじだけ頭に入れて臨みました。
以上がエリザベート観劇に至るまでのあらすじです。
以下、ネタバレを多分に含みます!
また、内容うろ覚えのところもありますがご容赦ください<(_ _)>
イメージしていた『エリザベート』
そういう訳で、大まかなあらすじしか知らないわたしは、勝手にこういうストーリーではないか?とイメージを膨らませていました。
~イメージエリザ~
バイエルンのじゃじゃ馬なお姫様 エリザベートは、田舎で乗馬を楽しみながらすくすくと育つ。
ある日、いつも通り木登りをして遊んでいたエリザベートは、高い枝から落ちてしまう。
死の淵を彷徨うエリザベートを救ったのは、「死」であるトート。
エリザベートは命を救ってくれたトートに惹かれるが、二人が結ばれる=死であるため、トートは去っていく。
※トートはその後もエリザベートを陰からそっと見守っている。
月日は流れ、美しく成長したエリザベートを通りがかったフランツ皇太子が見初める。そして結婚へ…。
ここでトートが嫉妬して「最後のダンスは俺のもの」歌唱。
この時点でフランツを愛しているエリザベートはトートを拒否する。
宮殿に入ったエリザベートは甘い生活を夢見るが、姑の皇后は厳しく、フランツも味方をしてくれない。
様々なピンチがエリザベートを襲うが、持ち前の天真爛漫な性格や田舎暮らしの生い立ちを活かして乗り切っていく。
※トートも陰からそっとピンチを救っている。
その後、色々あってエリザベートは真に愛しているのはトートだと気づく。
二人は結ばれてEND。
よく分からんかったポイント
ご覧になったことがある方はご存知の通り、実際はこんなストーリーではありません。
正直言って、有名作品+お姫様の物語ということで、当初はかなりシンプルかつ王道のラブストーリーをイメージしていました。少女漫画みたいな。
しかし、観ている途中から「え??」と思う展開が続き、最終的に謎が残ったまま舞台は終了しました。
どこが消化不良だったのか、初期の疑問を述べていきます。
エリザベートめっちゃ拒否るな
エリザベートはトートに惹かれつつも、拒否して自分の足で歩んでいくことを選ぶのだと思っていました。
しかし、わたしが観た回では結婚式あたりの頃から強く拒否している・怖がっているように見えました。
なので、ルドルフの自殺後に死を望むエリザベートをトートが突き放すシーンでは「ずっとトートのこと愛してなくない??」と思ったし、
ラストは唐突に思えました。
なぜルドルフを見捨てたのか?
皇后(姑)との闘いに勝利し、子供を自分の手で育てられることになったにもかかわらず、エリザベートは自由を求めて旅に出ます。
なんでやねん!
せっかく子供と過ごせることになったのに、外に出て行ってしまうのがよく分かりませんでした。
また、大人になったルドルフへの接し方が冷たく、母親として守ってあげたなかったのも酷いなと思いました。結果、ルドルフは死を選んでしまいます…。
ルキーニは何??
そもそも、「狂言回し」の役割を理解してないのかもしれません(;・∀・)
ルキーニは物語に深く食い込むのかと思ったら、「金持ちなら誰でもよかった」との動機でエリザベートを刺殺します。
しかし、物語の途中途中でルキーニは時には語り手として、時には牛乳売りとして登場します。
また、エリザベートの美談を「キッチュ」と一蹴しています。
ルキーニがエリザベートをどう思っていたのか、なぜ彼がこの物語を語っているのかが分かりませんでした。
■追記
ルキーニについてはちょっと分かってきたかも・・・
分かったかもしれない&分からないから面白い
そんな訳で、当初想像していたストーリーから大幅に違った『エリザベート』。観劇後はかなり消化不良を起こしました。
「面白かった?」と訊いてくれた友達に「うーん…期待外れかも」と返したほどに。
時間の経過とともに自分の考えが整理されていく中で、これは「期待外れ」ではなく「余韻」だったと気づきました。
よく分からなかったからこそ、何度もストーリーを反芻し、考察し、時には歴史を調べて、どんどん自分の中で『エリザベート』像が醸成されていきました。
もし、想像通りのストーリーなら「めでたしめでたし」で観劇直後の後味はよくても、すぐに忘れていたかもしれません。
分からないからこそ、分かろうとして、自分で面白さを発見して、初めて創り手と作品を共有できるのだと思います。
そうやって考えていく中で、当初分からなかったポイントも「こうではないか?」と自説ができてきました。
その、分かったかもしれない話はまた今度書きます。
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