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未来への力点を動かせ
旅客運航船の方にお会いする機会があった。その会社の航 路は、空港から名所までの定期便ゆえ乗客は減っている。打 開策の一つとして、週末の遊覧観光を打ち出した。自分たちが 予想して以上に、お客さまの評判もよく、予定していた席は完売 に近かった。用途転用での成功事例は苦しい中での明るい話 である。
とあるホテルの方にお会いした。去年の年末のおせち販売は、 過去最高の個数だったと伺った。今年も。当然、おせち販売 に力を入れていくそうだ。お客さまの欲求を満たす何かを買って いただけなければ事業は成立しない。百貨店の地下食品売り 場も、すごもり需要を捉えるべく高級おせちの販売に力を入れて いくとの広報活動に力を入れている。
旅客運航会社にとっての遊覧船利用、とあるホテルのおせ ち販売は、いろいろともがいた結果の成功事例だ。加えて、定 期船から観光船へ、ホテル会場での宴会から自宅のおせちへ、 既存事業を展開している先行会社がある中での、両社にとって、 新しい取り組み、試みとなる。
両社のお話を聞きながらとても嬉しくなった。次の種を探すべ く、がんばっている姿がイメージできて頭も下がる。と同時に、 成果レベルをさらに引き上げて、お客さまへ本物としての認知を 獲得していくアクションを、今以上に強化してほしいと感じた。例 えば、旅客運航船の部長は、遊覧観光で月 1000 人を超える には、という発想が現段階ではなさそうであった。
100 人集めることができたなら、その後ろに 1000 人にいる。 自社にとっての新しい取り組みが支持されたのだから、もっと、さ らに、遠くからも、これらの視点でストレッチをかけていく。目の前の現実からの意識ではなく、可能性を探る、可能意識的な 企てとしての展開が、今、必要だ。とあるホテルの経営者と料 理長は、自分たち史上最高販売個数、最大の満足を得ること を目標に挑み始めた。
自分たち史上最高販売個数。大きな目標を掲げれば、企て は可能意識となる。厨房の生産能力をアップさせるには何が必 要なのか。先行で受注していくために、フロントは何をすればい いのか。HP の告知方法は、どうしていくのがいいのか。地元 のお客さまにお伝えする方法は? 今、来てくれているお客さまに、 今まで利用してくれたお客さまには? 違いをつくって臨むべきアク ションが見えてくる。
おせちを中心にした、自分たち史上最高への取り組みは、自 分たちに違いをもたらす。取り組みのレベルを確実にアップさせ ていくから、これから先にくるだろうアフターコロナにも効いてくる。 なぜならば、媒介が、おせちから1 泊 2 食の宿泊へ、おちちか ら家族のパーティーへ、変わっていくだけだからである。
先ほど触れた観光船としての取り組みを強化したなら、定期 船にも、到着地、目的地から先の観光ガイドとしての機能も充実 していくことだろう。充実してくれば、他の選択肢、鉄道やバス と比較した上で、お客さまが納得の価値を提供できうる存在に なっていくはずだ。
おせち強化の延長線上に食事が間 違いなくおいしいホテルから食事をつけ て泊まろう。観光船強化の延長に移 動工程を楽しませてくるからバスや鉄道 ではなく船を使おうという流れができる。