「その程度」で生きて行こうね 憐れむ短歌十首
良いんだよ「この程度」でさ それでいい 君も私も「この程度」のまま
転がって落ちて砕けた欠片達 拾い集めた なおせなくても
生きててと無責任にも言い放つ 酷いことだと知っていた、けど
例えれば磁石のSとSくらい 反発しあう関係だよね
責任を押し付けるなよ あなたって烏滸がましいね 憐憫ひとつ
手の届く場所だけ大事に「あいしてる」 これまでだってこれからだって
大事だと思っていたからやったこと無為にされたね もういいかい?
優しくて素敵な人間らしいからお前如きはいらないみたい
さよならと伝えなくても指先で軽やかに済む離別の諸業務
これからもこれまでもそう変わらない お前もきっと「その程度」だね