言語習得における分岐点は13歳。この時期を絶対逃さないで!
私の世代では、「海外留学」(主に大学への留学)が一般的でしたが、現代では、子供の年齢がどんどん下がり「教育移住」というのが流行っているみたいです。
確かに、アメリカの高校に日本から1年親御さんときている。というようなご家族数件おられましたし、夏だけ数週間滞在するなんて話をよく聞くようになりました。今年流行っているのは、マレーシアとオランダだそうです。なんとも国際的思考でよいですね。小さなうちからいろいろな国での体験は、子供たちにとって良い経験になると思います。
英語は早期の環境で99%決まる!
これは、私がアメリカで過ごしていてはっきりと実感したことでもあります。アメリカに25年住んでおりますが、誰を見ても高校生と大学生で留学した子は、英語の発音が全く違います。高校留学と大学留学では、ぱっかり線がひかれたかのように、「英語の発音」が違うのです。実は、これを裏付ける理論があります。
高校生と大学生の留学経験者の英語発音が大きく異なる理由には、年齢による言語習得能力の違いが大きく関係しています。この現象は、臨界期仮説(Critical Period Hypothesis)と呼ばれる理論に関連しています。この仮説によると、特定の年齢までに言語を学習する能力は非常に高いが、臨界期を過ぎるとその能力が徐々に減少していくと言われています。
言語習得における臨界期は、一般的に12歳から15歳頃までがピークとされ、その後は脳の可塑性(柔軟性)が低下し、特に発音や音声認識の分野で習得が難しくなるとされています。つまり、高校生の段階で留学した場合、まだ臨界期の影響を受けるため、英語の音に対する感受性が高く、発音の習得も比較的容易です。一方、大学生になると、臨界期を過ぎているため、ネイティブに近い発音を獲得するのが難しくなる傾向があります。
この現象を裏付ける研究も多く存在しています。たとえば、ペニントンやヒーリングといった研究者たちは、第二言語の発音習得において年齢の影響が大きく、特に思春期以降に学んだ言語では、ネイティブスピーカーと同等の発音が難しくなることを指摘しています。また、発音に関する神経科学的研究では、脳の聴覚野の発達が12歳頃までに大きく決まることがわかっており、その後の言語音に対する適応力が低下するという結果が示されています。
このため、高校生と大学生で留学した場合に「英語の発音」が大きく異なることは、臨界期仮説を考慮すれば、自然な現象と言えるようです。
中学、高校英語が最も大切な時期!
この研究からすると、中学、高校での英語教育が発音や音声認識に最も重要な時期であることがわかります。しかしながら、日本の教育では「英文法を日本語で説明する」という英語の授業なのに、日本語ばかり聞くという授業のスタイルになっています。
これは本当に勿体無い。
この時期、子供達に英語をどんどん聞かせて覚えさせれば、発音もネイティブのような音になりうる音感を持っているのに。。。非常に勿体無いんです。
とはいえ、日本では中学、高校は進路を決める受験などがある為、呑気にネイティブの音がどうとか言ってられない時期でもあります。英語の成績を伸ばすには、文法事項を理解していなければ成績が上がらない。
しかし、この時期にリスニングという音感をつけなければ、一生この時期は戻ってこない。。。
ジレンマですね。
リスニングだけで学校の成績は上げられるのか?
そこで、「学校の英語の成績」を「リスニングだけで」上げることができれば。。。と考えたわけです。
私は、高校受験のための英語専任講師をしていました。そこでは英文法を日本語で教えるわけです。Be動詞、一般動詞、三人称単数形のs。やらやら。いかに子供達にわかりやすい説明ができるか?ということを試行錯誤して考えるわけです。
これを、なんとか音だけで伝えられないのか?
背景には、こんなことがありました。生まれも育ちもアメリカで英語はネイティブの子供は、日本にいる子に英語を教えることができないという不思議なことが起きたのです。
中学1年生の子に、三人称単数にs がつく。
He play tennis.
He plays tennis.
の違いを教えられないのです。私は英語教師だったので、主語が三人称で単数のときは、動詞に s または es がつくルールがあるとはっきりと文法的ルールで説明できます。
しかし、ネイティブはできないのです。
He play tennis. は、音が変。He plays tennis. の方が音がしっくりくるからこっちが正解。
そんな説明なんですね。でも英検1級の問題集はスラスラ解いているわけです。
これを見て、もしかして英語は文法解説する必要はないのでは?と思いついたのです。
中学と高校この時期リスニングを強化することの重要性
文部科学省が定める英語教育要綱を見返してみると、こんな程度です。
これを文法ルールとして説明してゆくわけですが、この規則を音だけで教えることは可能です。テストの形式(並べ替えや空欄に入れる)問題に従いながら、文法の説明を聞くのではなく音の違いで違和感を持たせる。そんなアプローチを取れます。
ユニークな試みではあるのですが、この動画だけでBe動詞、一般動詞、疑問詞を文法解説に依存することなく音で理解できるようになっています。
わずか10分の動画ですが、聞く+話す+聞くを繰り返す構成になっていて、ただ聞くだけでは正解できません。言葉に話すことで脳に記憶を送り返す効果もあります。(リトリーバルという方式についてはリンクより。)
後半では、学校のテストでよく出る並び替え問題も登場させています。学校のテストで出る形式もリスニングにしてしまうことで、
音感で文法を学ぶ。
これができる最後のステージである、中学生、高校生にアプローチすることができるのです。
ゲームを1時間する前に1回聞く
例えば、ゲームをする前に10分聞く。そんなお約束を作るのもいいかもしれません。ゲームを早くしたいという一心から、一生懸命この10分を頑張る。脳にとっては良い機会です。
とにかく、この時期は音感からどんどん吸収する時期です。そんな時に文法問題ばかり机に向かって解いているのは勿体無い。リスニングで文法問題に取り組むことで成績も上がる。ネイティブ音感も身につく。一挙両得になってきます。
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脳科学の研究によると、自分の名前が出てきたり、友達の名前が出てきたりといった自分の身近な内容には、集中力が増すことがわかっています。AI技術を利用し、学校のカリキュラムで習うものを Tom から自分の名前にするだけで集中力が大きく変わってきます。
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