楽しい!ジジイのディスカッション
議論(ディスカッション)は基本やってはいけないことらしい
誰かと誰かが議論始めると熱が入って興奮して喧嘩になることを恐れてか、議論が始まると、仲裁してそれをやめさせようとする誰かが出てくる風景にたまに出会う
この日は里山に作ったドラム缶ストーブの煙突に穴があいたため、新しい煙突に交換する仕事ができた
現場に私が着くともう作業は始まっていた
私は最初っからこの煙突交換作業をしたかったのに、もう他の2人のジジイが古い煙突外しを終え、新しい煙突を組み立て始めているではないか!
ちょい悔しかった
俺来るまで待ってろよ!と言いたかったが言えなかった
そんなこと事前に約束していなかったからだ
しかし案の定新しい煙突は古いものと長さが少し違っていてスンナリとは組み立てられないでいる
「合わへんな」とか言い合っている
ここに私は入り込んで「そっちを伸ばして、ここを少し切って」と言いながら作業に参加した
「そんなことしたらもっと合わんようになるやんか」
「それより根本がぐらつくからそこを直す」とか別のジジイが叫ぶ
「切るんだったら、俺は道具を持ってきた」
「これで切るぞ」俺が言う
「切り過ぎるなよ!・・・ダメダメそんなに切ったら炎が噴き出すやんか! もっと狭くだ、狭く」
「じゃこのぐらいで切るぞ」
「もっと狭くだ、狭く、1センチだ」
そんなやり取りでやっとこさ煙突の根本が収まり、あとは長さ調整をする段階になった
「なんでそっちを先に固定する! それじゃ斜めになるだろ」
「斜めでも構わへん 煙が流れりゃそれでエエんや」
「見栄えが悪いやろ」
「見栄えなんかどうでもエエ」
こんな調子で私を含めてジジイ3人が大声で議論しながら共同で煙突をくみ上げた
なぜか久しぶりに楽しかった
私は正直そう思った
いつもこのじいさん達と会話するときには少し遠慮がちに敬語も混ぜて怒らせないように振舞っていたけど、この煙突交換作業では言いたい放題で大声出して怒鳴りまくった
これが楽しかった
こういうのが議論、つまりディスカッションではないかと感じた
ディスカッションは共通の目的なり目標があったら喧嘩にならずに済むこともよく分かった
喧嘩になるディスカッションは互いに相手を打ち負かそうとするからそうなるんだろう
そうじゃなくて言い合いしても、まあ片方が折れて、しかも目標、今回は壊れた煙突を早く直すことに集中していたから怒鳴り合っても喧嘩になる気配すら無かったんだ
これは今更にして新しい発見だったのでnoteしておきたかった