「池の水ぜんぶ抜く大作戦」」ボラ参加後のメモ
過日(2020年)2月23日放送のテレビ東京系列「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」京都 春日上ノ池編は1月29日にロケがあり、昨日放送されました。
私はその「かいぼり」ボランティアとして参加しました。お弁当もご支給いただき、その上に番組オリジナルQUOカード500円を記念品としていただきました。
かいぼりとは、ため池の水を農閑期の冬に抜いて乾かす、池のメンテナンスとして昔から行われていた作業を言うそうです。最近は、かいぼりをあまりやらなくなったみたいです。
幸運にもこのロケに参加できたのは、同テレビ局関連企業から参加要請のメールが届いたことがキッカケでした。せっかくの機会がやって来たので、これを見送ることはない!と参加を決めました。
この「池の水ぜんぶ抜く大作戦」について、ネットではこの番組内容に賛否両論ありますので、実態を見たい!との考えもありました。ただ、今回のロケに限っては思った以上に捕獲した生き物の取り扱いは良くて(駆除した外来種はその後どうしたのかは不明ですが)、この点については好印象を持ちました。しかしこのロケが夏だったらどうだっただろうか?とも思いました。冬限定番組ってことでもなさそうなので。
番組ロケ準備は朝の10時半から始まりました。
私は自宅の近くにお住まいの、大学で生物学を学んだ女性の方と二人で「かいぼりボランティア」に参加しました。この他に大阪の大学生ボランティアチーム、それに大原野の地元の人達が主だったようです。総勢約30人。
この日演者の鈴木奈々さんは、もう何度もかいぼりの場数を踏んでいるようで、泥の中で移動する術が体得されているみたいです。率先して、いきなり泥の池に入り込み、軽々と池の中を進ん行って、すぐに生物を網ですくい上げていました。
クサガメってホント臭い!とか、泥の中に転がりまわっているシーンが放映されましように、鈴木奈々さんの登場でロケは華やかなった!と思いました。朝の2時だか3時起きで自宅から来ました!と言ってました。
池は二カ所かいぼりをやって、捕れた生き物の大半がウシガエルのオタマジャクシとアメリカザリガニ、それにブルーギルでした。
この結果は地元に住む私としてはとても意外な結果で、一応自然豊かだと言われている京都西山の麓なので、ウナギやナマズ、それに水生昆虫は豊富に住んでいるだろうと思いましたが、ほぼほぼ完全に上述3種で独占と言っても過言ではなさそうな状態でした。
さらに、数は少ないものの、ミシシッピアカミミガメやブラックバス、が捕れました。なぜこれらがこの森の奥の池にこんなに住んでいるのか? これはその後にこの地元に住む人の話しを聞くと、ひとが故意にそういう外来種を池に放したから、という話しをいくつかゲットできました。
この池の周囲には放送でも紹介していましたように、ため池がたくさんあります。古いものも比較的新しいものもあります。今回の池は築50年と言っていましたので、そんなに古くもないです。もっと昔のため池は、日本が食糧難だった時代にウシガエルとその餌になるアメリカザリガニを、人が食べるために昔に池へ放ったようだと地元に住むの人から話しを聞きましたが、築50年の池ではそれは無かったと思います。50年前といえば私が小学生の頃で、ウシガエルやザリガニは人が食うモンじゃない!と誰もが見向きもしなかったからです。
ただ、小学生の私は当時は東京近郊に住んでいて、田んぼでザリガニもウシガエルのオタマジャクシもいっぱい捕って、持ち帰って家で飼っていました。ザリガニは大半が死にましたが、ウシガエルのオタマジャクシは育ってカエルになって・・・脱走して消えました。
そんなある日、学校で「命の大切さ」とか教えられると、急に飼っているザリガニやカエル達がかわいそうになり、川へ放して自由にさせてあげたりしました。
おそらく京都のこのため池も、当時の子ども達が捕った魚やオタマジャクシなんかを「バイバイ!」と言いながら池で自由にさせてあげたのでは??
昔は魚釣りの獲物はとにかく家に持ち帰って、2,3日洗面器に入れて観て、それからバイバイするというのが日常的な自然な光景だったと思います。何も迷いはありませんでした。自然に返してあげてよかったよかった♪みたいに思い「今日はいいことしたなぁ」って鼻歌出ました。
今から3,40年前の小学生はいっぱいいて、この辺の小学校でも校庭にプレハブ校舎建てるぐらい大挙していました。小中学生が魚釣りするのはぼぼふつうで、特に男子は必ず経験者!みたいな環境だったから、そのツケが回ってこの日のかいぼり結果になったのかな?という気がします。
だから、ときどきため池の水は抜いて、増えすぎた生き物は駆除するというのは、少なくともこのため池ではやった方がいいと9割がた、私はそう思いました。
だけど、残り1割はなんだかモヤモヤするんですねぇ。
なぜかというと、この池に限っては、もう既にほぼウシガエルのオタマジャクシとアメリカザリガニ、ブルーギルで生態系が完成していいて、誰も何も世話しなくてもそのほぼ3種で食物連鎖が成立し、自立した生き物の環境になっている、と見られるからです。ウシガエルは特定外来生物だからあえて増やすのは法的に問題ですが、その理由を外すとしたら「ここのため池はこのままの状態に甘んじてもベツに悪くはないのでは?」という気もなんだか私のアタマの中には漂っています。
ウシガエル、アメリカザリガニ、ブルーギルはそれぞれがお互いに食い合う関係だし、共食いもするし、オタマジャクシやザリガニの稚エビは沈んで腐った葉っぱを食べて大きくなるから、幼少期は池の掃除役でもあるわけです。育った魚やカエルは、カメや水鳥、付近に住むタヌキなどの野生動物が食べに来るような、他の生き物の生きる役に立っていると考えることもできます。だとすれば、その3種を駆除すると飢える野生動物も出てしまうことが思い浮かぶんですね。
実際にこの日のロケで捕ったクサガメの一匹は前足に大きなケガがありまして、生物仕分けを担当していた生物専門家の人は「アライグマに襲われたのだろう」と言っていました。どうも夜な夜なこの池で獲物を狙っているらしいです。アライグマも特定外来生物なので、駆除対象だからその餌場ができていたらマズいのですが・・・。
「かいぼり」っていう冬の農閑期に農業用ため池の水抜きをするというのは、昔からやられて来た日本の生活様式で、そういうたまに水が無くなる環境に適合した日本在来種が住んでいたはずが、かいぼりが減少したために、結果的に別の生き物が繁殖して独占状態になったのも推測としてハズレではないでしょう。
もしまた局からメールが来て「かいぼりボランティアに参加しませんか?」となったら、また参加してみたいと思います。
冬のかいぼりでの生き物捕獲の方法は妥当そうだったから心配は減りましたが、もっと暑い時期では実際どうなんだろう?というのが実際に見てみたいところです。
池の泥の中をみんなで歩き回ると、水面まで泥水になります。泥水は比重(密度)が高くなるので、その分で浮力が増すから魚は水中にもぐれなくなって水面に出てしまい、そのまま泥の上に横倒しになることが今回のかいぼりでよく分かりました。冬は陽ざしが弱いからこれでも魚は死なないけど、これが暑い時期だったら・・・
これが心配なところです。
このnoteのはなしの続きを下のリンク先(note記事)に書きました。