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やるときの極意は、やらないこと

昔々、私の勤めていたカイシャのおエライさんが「物流の極意は、モノを運ばないこと」だと言っていた。そのおエライさん、私は大嫌いなタイプだったけど、そういう嫌なヤツでもたまにタメになることは言うもんだから、そういうタメになることに限っては覚えていることにしてもいいんじゃないかと思う。

その会社は製造業だったので物流コストは突き詰めれば無駄だと、その嫌なヤツは言っていたのだが、その言葉を応用すると、いろんなことに当てはまり、しかもけっこう役立つんじゃないかと思う。

働く極意は、働かないこと

仕事を受けたら、どうやってこの仕事を楽にやっつけたらいいか?
まずそういうふうに考えるヤツは10人中3人はいると私は思っている。言い方を変えれば仕事の手を抜くことに余念が無いヤツということ。まったくケシカランことだし、そんな考えで仕事していることがバレたら頭ひっぱたかれて給料減らされるのがオチだから、そんな企みを持つ者は決して悟られないように行動しているから表には出て来ないのだが、注意して人物の行動を観察していると分かる場合がある。

一番ヘタクソなやり方は、単に他の誰かに権力とか弱みを使って丸投げしてしまう方法が楽に仕事をする方法なのだが、これを続けるとどういう評価が待っているか、言うまでもないだろう。

そんなんじゃなくて、
たとえば上司に出す資料の作成を指示されたら、最初から完璧など目指さずに、どうせ上司に見せたら直しが入るだろうとタカをくくり、ほどほどの完成度で上司に見せて、直しの指示をもらった方が速く済むとか、
プロジェクト仕事は、ある程度見通しができたら、とにかく何とか使えそうなものを短時間にでっちあげてしまい、それからみなさんの意見をいろいろ聞いて、でっちあげたものに時間が許す限りの改良を積み重ねて行く方が、割とマイペースでできるとか、いろいろ考えれば上手に手を抜く方法はある。

上司に許可をもらいに行くにも、
事前に説明して許可をやっと出してもらうより、先に事をやってしまってから、上司に許可なしでやってしまったことの許しを乞う方が手っ取り早いという説も、昔読んだマーフィーの法則に書いてあり、ほんとうにそんなことをやっている場面を営業職のときに何度も見た。みんなけっこう仕事の手を抜くことには余念が無いんだなぁ、と私はそのとき感心した。

着替える極意は、着替えないこと

「〇〇をするときの極意は、〇〇をしないこと」の格言?は仕事に限らずいろんなことに応用が利くことです。

冬の寝床から出るのは寒くて嫌ですね。出勤前に、まだギリギリまで寝ていたいのに、スーツに着替えるのは寒くてたまりません。
なぜ寒いのか?
寝床の中で暖まっていたパジャマをいで、冷え切ったワイシャツやズボンを履くから寒いんです。
だから、それをしなけりゃ寒くない。
それを解決するためには、パジャマの上からワイシャツ着て、ズボン履いてしまうんですよ!

そんなアホな!
でも昔、1980年代だったと思うけど、テレビ番組で作家の遠藤周作氏と北杜夫氏の対談をやっていたとき、北杜夫が「今日は、実はわたし、中にパジャマ着ているんですよ」と言っていた場面がほんとうにありました。普段しないだけで、やろうと思ったらパジャマを脱がないで、その上からスーツとか着ることができるんです。

私は冬になるとこの手法を実際に行っていました。多少モコモコするかもだけど、中年のオッサンだからだーれもそんな体形のこと気にして見る人いないんですよね。それにこの手法の良いところは、着替え時間が極短時間で済むことにもあります。朝の忙しい時間帯に、着替え時間が短くて済むのはとてもとても良いことなんです。


まだ他にもいろいろあるので「〇〇をするときの極意は、〇〇をしないこと」の適用範囲は広いと思います。

気づくことがあったら、ぜひ試してみることをお薦めします。

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