株の損切りが必要なことを実感した2019年「盆栽育ての年」
今まで「損切りは絶対しない!」と決めていた私の投資方針に対する反省というか「株は損切しないとこうなるんだ!」という実態を吐露しておきたいと思います。
株式投資は楽観では儲からないという戒めでもあり、特に株式初級者にありがちな「損切しなくったってエエやんか!」という安易な気持ちの結果が、どういうカタチで現実のものになって身に降りかかってくるのか、しかも2019年8月あたりからの日経平均イケイケ相場の中で、盆栽株育てに躍起になったためにせっかくの儲けの機会をみすみす手放しちまうことになったのか、のリポートでもあります。
事の発端は2016年。この年は年初あたりからマザーズだけが大幅に値上がりし、私の持ち玉のいくつもが満足な益出しに成功したところから始まりました。
マザーズ株価は日経平均株価とは異なった値動きを示すことが珍しくありません。日経平均株価が下がったときに急に値上がりする傾向があるということをその頃感じていた私はマザーズ株中心に買いを広げました。巷では日経平均構成銘柄である外国人投資家が買い易い銘柄が利益確定に押されて値を下げるとき、その逃げ場として国内銘柄を買うとかいう説がありますので、きっとマザーズ株はそういう理由で日経平均がやや下げるときに上がるのだ!という説を信仰している、私はそういう信者なのです。
マザーズ株はイケる!
そう思った私は以前株には100万円程度の資金を入れていましたが、2017から倍の200万円程度に資金を拡大し、1000円から2000円で10銘柄程度増やしました、それまでの手持ちが約10銘柄でしたから合計20銘柄になったわけです。
2017年は今から思えば良い年でした。マザーズ爆上げで手にした資金で仕込んだ時期が夏ぐらいでしたから、ここから少し間を明けて持ち玉は黙っていても値を上げるものが多かったからです。ダブルバーガーになるものもありましたが、そこまで待っていられない株価高所恐怖症の私は少し上がったところで手放して益出ししていました。当然売れずに残る玉もありましたが、益出しできる玉の方が多くて、この年は配当を含めて100万円に迫る利益がありました。
儲かる玉はどんどん売って、その資金でまた別の玉を買う、ひとつ売ったら別のひとつを買う、ときどき下がったところで同じ銘柄を買ってまた利益を生む。ただし20銘柄からは滅多に増やさない!これが当時の方針でした。
それが2018年に入ると様相が変わってしまいました。益出しできる玉は全部益出ししてしまった後に残った玉は、なかなか株価が上がらない玉ばかり揃ってしまったわけです。これは考えてみれば当然のことかもしれません。株は上る日もありゃ下がる日もあると考えていた私でしたが、上がり易い玉もありゃ、上がり難い玉もあることには無視を決め込んでいたツケが回ってきたのです。
そして売れる玉は、たまーにしか出ないようになりました。そこで焦った私は値下がりしても影響が少ないように200円とか300円で買える、いわゆるボロ株を買う方針に切り替えました。これがまた傷口を広げる結果になったのですね。ボロ株はやってみて分かりましたが、なかなか儲かりません。ボロでない2000円銘柄と同じように株価は似たような変動率で動くので、200円のボロ株は同じ株数だったら10分の1ぐらいしか儲けが出ないのですね。値下がりしても影響が出ないようなボロ株は儲けも感じられないように微々たる儲けしか出せません。同じ儲けを出そうと思ったら10倍、つまり2000円株を100株買うなら200円株は1000株買わなきゃならないみたいです。
そう気がついたもんだから、ボロ株の値下がったところで買い増しして1銘柄で300株とか500株に増やした銘柄もこの頃に私の持ち玉リストに登場しました。中にはそれが功を奏して益出しできたものがありました。お気に入りのマザーズじゃないけどマザーズ並の値動きをすると睨んでいたモリテックスチール(5986)はそういう株でした。これで2回の益出しに成功したもんだから、3匹目のドジョウを狙って下がっては買い増しを決め込みました。
そういう甘い体験を経て、その後この株は長ーい株価低迷に入ってしまいました。こういう似たような株が他に4銘柄を私は持っています。仕手株?なのかよく分からないけど爆上げしたので買って1回益出し成功でそのまんま失速して今に至るビートホールディングス(9399)とか、ノーベル賞で爆上げか!と期待して買い増ししたカイオムバイオサイエンス(4583)なんかがあり、それらはいつも私の頭痛の種となっています。
このような低い株価で収まっていてなかなか株価が伸びて行きそうもない株を「盆栽」と呼ばれていることを、株には目のないお隣さんの奥さんに私は教えてもらいました。
盆栽とはまさに毎日の手入れが欠かせないのだそうですが、盆栽株とはまさに的を得ている表現ではないですか。
私の盆栽株はもちろん毎日気になって気になって仕方が無く、株価を見ては何か良いIRとか出てないかとか、良いウワサが書かれていないかと掲示板に釘付けになってしまいます。早くこいつらから手が離れる日が来ることばかり考えてしまいます。当然ながら?我が方針は「損切はしない、そんな必要は無いのさ!」とうそぶいていましたから、何としても益出しできる日を念じて祈って「きっとその日は明日に違いない」と信じているのです。そうして気づけば2017年の利益を吹き飛ばしてなお余りある100万円超の含み損をも2019年時点で育ててしまっているのでした。
結局損切りできない、損切りしない銘柄はこのように持ち株リスト中の全銘柄になるまで蔓延ってしまい、すっかり気持ちが萎えてしまうのです。
もし、損切りをする勇気があったなら、
きっと益出しで売るときに何かひとつ含み損の盆栽銘柄と抱き合わせで売ることをして節税しながら市場の底値を狙い「ここが買い場!」のときにためらいなく買いの出動できるようにしておけたなぁ、なんて寝床で考えてしまいます。
2020年は思い切ってこの作戦でやってみようか! やっぱり様子見しようか・・・。
今のところほぼほぼ全銘柄盆栽株なのかもしれない中で、どう身動きをとるか!?
これが一番の考えどころです。
はたして年初から動くべきなのか、しばらく様子を見るべきなのか?
日経平均は24000円付近でヨコヨコ相場です。
大好きなマザーズは長かった下落相場から底入れして回復のような、そうでも無いような、悩むチャートに見えます。
来年の正月は手持ち盆栽株をどうするのか、酒のみながらじっくり沈思黙考する一週間になると思います。
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