なぜなのか?コオロギ食の問題について思うこと
私はどちらかというと昆虫の食料化には賛成したい
理由は少し先の将来、たとえば100年後とかに起きるかもしれない食糧危機に備えて準備をしておくことは今から必要だと思う
しかしその進め方がとても性急で、問題をよく検証もしないまま「良さそうだから早く実現化しよう」のような掛け声で進めている(ように見える)ため、反対意見が急速に盛り上がり、このまま進められないのではないか?
「昆虫食の実用化がこのまま進められない」というのは問題かもしれないけど、私にはそうも思えない
まだ未解決の問題を内在しているのに、それを解決しないで突っ走って行こうというのこそ問題だと最近思えるようになってきた
「昆虫食」は、なぜ「コオロギ食」なんだろう?
直近で、下記リンク先の記事を見つけたので参考にできると思い、お借りしてここに貼りました
上記はコオロギ食を推進したいという記事
そして下記は反対意見の記事
そして、私が現在疑問に思って考えていることは下記
1.なぜ「コオロギ食」一点張りなんだろう?
昆虫食に適する昆虫はコオロギだけに限らず、他にもある
古くから川に住む昆虫を「ざざむし」と呼んで佃煮などで食べられているし、イナゴやセミ、蜂の子、カイコ(特に絹糸は粉末にしてお菓子などに)も食用となっている
その中でコオロギが突然現れた
その他の昆虫が新しい食品の遡上にあがり、宣伝されているのを私は見たことが無いが、従来のイナゴや蜂の子などではない新規の昆虫食はコオロギ以外にあるのだろうか?
2.コオロギは育てやすいから注目されているのか?
上記のサイトには他の昆虫と比較してコオロギの優位性が説明されている
この中で、コオロギは雑食性、体も比較的大きいし、育て易い優位性があると書かれていると見える
つまり生産性の上でコオロギは優等生だということらしい
確かに食料危機が目前に迫る少し先の将来になれば生産性は見逃せないポイントだというのは分かるが、今はそれだけで「コオロギで実用化」でいいのだろうか?
3.雑食性というコオロギの特徴はメリットもあるけどデメリットもあると思う
これは上述の「反対意見の記事」に書かれているように、雑食性は共食いが起きやすく管理が難しくなることもあるし、本来の餌以外の動物性のたんぱく質も食べてしまう心配がつきまとう
食用コオロギはレタスで育てられているように書いたり説明されているようだけど、飼育の状態が良ければきっとレタスしか食べないだろう
しかし劣悪とはいかないまでも他から別の昆虫やミミズや鳥や小動物が飼育施設に紛れ込むと、それらの糞や死骸を食べないとは限らない
きっと業者はそんな飼育環境ではないと主張するだろうし、大多数はそうだろうけど、急速にコオロギ事業を展開しようとすればするほど監視の目のとどかないところで劣悪飼育が起きない保証は今のところないと思う
これらの心配が本当に安心できるレベルに揃えられているだろうか?
4.コオロギ養殖はけっこうコストが高くなると言う話があるが
これも上述「反対意見の記事」に書かれている
それより「魚粉」の活用が優位とも書かれていると思うし、それを思うとまだ食用化されていない昆虫ではないたんぱく源もあるように思う
ただ私はその仲間に昆虫由来のたんぱく源を加えていく努力は将来を見据えてやっていくべきだろうと今も考えている
実用化して普及すれば養殖コストは下がるのは本当だろう
だけど、一足飛びに実用化に進むのはやっぱり心配がつきまとう
反対派が嫌コオロギ食を主張するのも無理ないし、私も今の進め方には賛成できない
5.コオロギパウダーをいきなり食品に加えるのは嫌悪感増大の根源だと思う
パウダーにしたら、もはやコオロギの姿は見えなくなる
私は現に売られているコオロギチョコレートやコオロギお煎餅買って食べてみたが、コオロギの味は感じられず、ただのチョコレート菓子やふつうのお煎餅の味だった
ということは意図せずコオロギ入りだと気が付かずにコオロギパウダー入りの食品を買って食べても言われるまで分からないという構図が今後広まる心配がある
現実になるかもしれない心配は、劣悪な飼育環境で育ったコオロギがパウダーになり、病原体の胞子が混じったまま出荷されて食品に混入する、こんな心配は私も想像している
ほんとうに善良で、コオロギ飼育の安全性を熟知した専門家によって育てられて定められた検査で合格したコオロギだけが食品用として出て来るのだろうか?怪しさがつきまとう
心配しすぎだろうか?
6.それに絶対安全だとして、昆虫を食べたくない人が容易に識別できるのだろうか
これは宗教上もあるだろうし、そうでなくとも「食べたくないものは絶対に食べたくない」人だって大勢いると思う
そういう私も昆虫食にはかなり抵抗がある
抵抗があるけど私は好奇心も旺盛なので食べることに挑戦したいと思っているからコオロギチョコレートや煎餅を食べて「これならいいかも」と思っているクチだけど、食べた!と分かったら気が狂いそうな人だっているだろう
自分で食材を選んで買う場合は袋のラベルなどで「あ!これはコオロギパウダー入りだ」と分かるかもしれないけど、料理の食材にこのパウダーが使用されても分からない
現在もそのような例は卵や蕎麦などアレルギー食品で類似の困難さがあるにはある
それ1種類加わるだけと考えていいんだろうか?
さらにアレルギーは無かったとしても、食べたと知ったら卒倒しそうな人はどうするのだろうか? これ、もしかしたらハラールと同じように「昆虫素材由来食材ではありません」のマークを貼るとかなんとか対策要るのっではないだろうか
この昆虫食嫌悪感は、どうも今は軽んじられているような気がするが、私だけがそう思うのだろうか
「慣れたらみんな大丈夫になりますよ」なんて陰で考えられていないことを祈るしかないが
新しいものを世に出すには段階を踏み、それが世間によく浸透する時間が必要だと思う
たぶんコオロギ食についての安全性については検証されているのだろうと思う
そうでなければ食品として世に出ないハズだから、キチンをした養殖をして甲殻類アレルギーなど必要な表示をしたら出荷できるレベルにはあるのだろうと想像している
しかし「適切な養殖環境」ってどう定められているのだろう
これについては調べたけどよく分からない
よく分からない中には、企業独自でルールを制定しているのか、公のルールになっているのかも含んでよく分からない
それらがOKであっても、まずは限られた消費枠の中で実証実験を重ねないとだめだと思う
多分少しは実証実験もやったのだろうと想像するけど、反対派の嫌悪感をSNSで覗くと実証不足だったと思わざるを得ない
たぶんここが足ないままパンとかの人気商品に使われたのが反対の起爆になったのではないだろうか
さらにもし市場で一般的に販売されるようになっても、さまざまな意見を吸い上げて対策に結び付ける機関が要ると思う
私はコオロギ食が出たとき、これが前進したら将来に役立つだろうと期待していたし、今でもそれは変わらないけど、進め方があまりにも性急で無理やり感を感じている
このnoteは、自分の考えを整理するために書きました
なので反対なのか賛成なのかを決めずに両方書いたので、読んだ方は何の意見か分からなかったかと思います
しかし期待していたことが問題を引き起こしているような進め方には我慢がなりません