第５話「【ダサい会話の返し方】モテない人がやってしまうリアクションとは？」
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鬼、壁に刺さっている。
鬼、ぶあつい本を読んでいる。
ウサギのミミ子が地面にはいつくばって
指を地面につけている。
アリの列。
さえぎったるな。
……（鬼を見る）
（メガネを取って、本を閉じて）
今日はほとんどの人が
「いい」と思ってやってもうてる
鬼ダサすぎるリアクションを教えたるわ。
……リアクション？
ダサすぎるどころか、
魅力も激減するのに、
やってもうてる人、
めちゃめちゃ多いんや！
鬼のな、
鬼学生時代の部活の先輩にも、
これやってもうてる人おってな。
めちゃめちゃ優しくていい鬼先輩やったのに、
ぜんっぜん恋愛のウワサを聞かんかったし、
１年間で３回フラれとったからな！
えええ？
おるやろ？
いい人やのにモテへんっていうヤツ。
なんでか気になるやろ？
鬼……部活してたん？
そこが意外やったん？
部活、しとったよ。
部活は青春よ……（上空を見る）
……（鬼が見ているところを見る）
鬼先輩がモテへんかったんはな、
《謙虚すぎる人》やったからや。
……けんきょ……？
謙虚は悪いんか？
せや。
……へー……（メモする）
ミミ子。
おまえいっつも
ちゃんと鬼の話メモしてえらいな！
へっ……？
マジメですごいよな！
……え、え……
ミミ子、キョロキョロしはじめ、
地面の砂をあつめる。
ミミ子、鼻歌を歌いはじめる。
あ、あはは、あははは……
アリやで、アリ。
ほらほら、アリ。
アウトや！！！！
へ……？
なんやその変なリアクションは。
想像もせんかったわ。
そんなんなるって。
どういうことや？
鬼は、
お前がほめられたときどういうリアクションするか
知りたかったんや。
ぬ！
本気でほめてなかったんか！
まあな
キイー！！！！！！
ヒィ！
ミミ子、猛烈（もうれつ）に踊りはじめる。
キイーーーーー！！！！
怒ったリアクションも変やな……
なんや鬼！
リアクションリアクション言うて！
鬼、最初になんつった？
え？……（空を見上げて考えて）
アリの列さえぎるなや、
鬼が食うねん……？
言うてないな！
それに、鬼はアリは食わん！
ええ？！
驚かんといてよ。
鬼、アリ食わんよ。
……（うなずく）
鬼は最初に、
「鬼ダサすぎるリアクション」
言うたんよ。
リアクション？
おまえも聞いてたで。
「リアクション？」
って繰り返してたで。
《謙虚すぎる人がモテへん》
って話は今後もすると思うけど、
今日はその中でも、
ほめられた時のリアクション、
を教えたるわ。
ほめられたときの、リアクション……
ほめられることって、まあまああるやろ？
このときに適当なリアクションしてないか？
それで恋愛対象に入れるか、
外れてまうか、
決まるんやで。
おまえは、鬼ダサくはなかったけど、
なんか、怖かったわ。
知っとるで……
は？
我、
ほめられた時にどういうふうにしたらいいか、
知っとるんや……。
お、そうなんか？
とっさでは出ぇへんだけや…………（座る）
頼もしいな。
知ってるんやったら、
今後体になじませていったらできるからな。
できる。
ほんじゃあやってみて。
……ミミ子、
おまえいっつも話はマジメに聞いてて
えらいなあ～！
我は最強の天才ウサギやからな。
このシャーペンもここに目あってイケてるやろ！
ちゃう！
エッ……？
そんな傲慢（ごうまん）な感じ、絶対アカン！
変な自慢もアカン！
エエエッ……！
で、でも、ここに、目ついてるんやで……？
アメリカのホープ大学の研究で、
自慢をしたりするような
傲慢（ごうまん）な態度は
相手に悪印象を与えるってわかってんねん。
ホホホホホ、ホープ大学やと……！（激しくメモする）
おまえ、大学の研究好きやなあ！
へへ、へへへ……（うなずく）
何を照れてんねや……？
リアクションはアカンかったんやで？
でもおまえ自身もどう思う？
自慢ばっかりするヤツ、イヤちゃうか？
……せやな……
自慢話してるヤツは
ほんまは弱いねん。
弱い自分を隠そうとして
えらく見せようとしてさ。
そんなんで
本当の自分は変わらんのにさ。
自分をおっきく見せようとしてさ。
家ぐらいする値段の
黄色い船を見せたがんねん……
過去に何があったんや？
それにお金を使うところを見せたいから、
串カツ行ったら
串がハリネズミみたいになって……
ギャァァァァァァ！（頭を抱える）
お、おい！
なんや？
いや……
いや……なんか、いろいろ思い出させてごめんな……。
ええよ……
と、とにかく……
傲慢（ごうまん）な態度は
とったらアカンで。
アッ！
なんや？
いいリアクション思いついた。
もっかい、ほめてきて。
お、おお……。
ほんじゃあいくで。
……ミミ子、
おまえいっつも話は真面目に聞いてて偉いなあ～！
い、いやいやぁ……
いやいやそんなぁ……
そんなことないっすよ……！
我なんかぁ……！
いやいやぁぁ……
おおー。
これや。
それが、鬼先輩のやってた、
鬼ダサすぎるリアクションや。
ええええええええええ？！
鬼先輩はめっちゃ謙虚な人やったんや……。
後輩にもずっと敬語でいてくれてな。
みんなでご飯食べに行こう～ってときも、
いっつも
「なんでもいいですよ～」
言うてな、
部活終わりの水道も
「先使ってください～」
って言うてくれたりな……
水道使う部活やったん？
謙虚っちゅーのは、
本来は、
モテる要素の一つでもあるはずなんやけどな。
エッ？
そやねん。
ある大学の研究でも、
謙虚な人は人間関係を大切にしてくれそうとか、
浮気をしなさそうとか、
好印象やってわかったんや。
ほらほらほらほら
「いやいやそんなぁ……
そんなことないっすよ……！
我なんかぁ……！
いやいやぁぁ……」
でも、
鬼先輩はぜんぜんモテへんかったんや。
１年で３回フラれてたんや！
な？！
鬼先輩は、
「この人、なんか頼りなさそう……」って
思われてもうてたんや！
鬼先輩っ……！
謙虚が過ぎると
恋愛感情を持ってもらいにくいねん！
「謙虚」と「謙虚すぎる」の間には、
さじ加減があるんや！
うああ！
（メモ帳を地面にたたきつける）
傲慢すぎてもアカン！
謙虚すぎるんもアカン！
ほな、どしたらええのやぁぁぁぁ！
（鬼のツノをつかむ）
ヒィィィィィィ……！
うん……？
（か細い声で）
やめてぇ、やめてぇ、
ツノ、やめてぇ……
（手をはなす）
なんや、その声……
（座る）
ふうぅぅぅ…………
どうしたらいいのかって言うたらな。
謙虚でありながらも、
自信があることをアピールするんや！
さっきのなんやったんや？
ほめられたときは、
《まず感謝して、
運が良かったってことと、
これからも努力するってことを
伝える》
んや！
鬼、
例えば
「鬼さん、
めっちゃ指長くて
きれいですね～」
ってほめてもらったとするやろ。
さっきの、
そしたら、こうや。
「いや～ありがたいことにそれ、
よう言ってもらえんねんけどな～、
鬼両親が
そういう遺伝子持ってくれてたんやろな。
鬼、めちゃめちゃ運が良かったわ！
あ、でも、
せっかくそんな風に産んでくれたからさ、
もっと手入れしてさ、
ハンドクリームのＣＭとか
出演出来るぐらい目指してみるわ！」
（ミミ子に手でグッドサイン）
もっかいツノ、触っていい？
どや？！
謙虚でありながら、
自信もアピールできたやろ！
……もう聞かんことにするわ。
（メモする）
「いやいや、そんなことないですよ～」
っていうのってな、
せっかくほめてくれた人に対して
否定してもうてんねん……。
そんなんアカンよ。
せっかくほめてくれたんやから、
そこはいったん受け止めて、
感謝するんや。
えーっと……
「あ～、ありがとう～！ たまにそれ……
ほんでな、
「運が良かった」って言うことは、
今ほめられたことがあるのは、
周りのおかげやって言うことになるやろ？
これで自分の自慢をすることなく、
《ほめ》を受け入れられるんや。
（メモを見て）……ん？
鬼芸人の松本人志さんにな、
ある後輩芸人さんが
「松本さんみたいに売れるには
何が一番必要ですか？」
って聞いたら
「運やな」
って答えはったことがあったんや。
あんな
実力派とされてる鬼芸人さんでも
自分の力じゃなく、
「運や」
かっこいいよな！
それに
「運が良かっただけ」
っていう言葉は、
オバマ大統領さんや、
Facebookを作った
マークザッカーバッグさんとか
世界のトップリーダーたちが
よく使う言葉としても有名やし、
史上２番目の大富豪と言われる成功者、
アンドリューカーネギーさんは、
自分の墓石に
「己（おのれ）より賢明なる人物を
身辺に集める方法を心得し者、
ここに眠る」
って書かせたんや！
これは、
「私は自分より優秀なものを
身辺に置く方法を
知っているだけの者です」
って意味や、
つまり、
自分が成功できたのは
自分の手柄（てがら）じゃなくて
自分を支えてくれた
あなたたちがいたからこそです、
って
死んでもなお言ってるってことや！
……（メモを見ている）
こうやってな、
傲慢（ごうまん）にならん人は、
周りに人が集まってくるし、
その人らに慕われて助けられて、
ほんで成功者になっていくんや……
……（鬼を見る）
ほんで、最後に
「自分はこれからももっと努力する」
っていう姿勢を見せたら、
めちゃめちゃ魅力が上がるで！
あわ、あわわわ……
すごいやろ？
長い……！
は？
（メモを見ながら）
「あ～、ありがとう！
たまにそれ、
言ってもらえんねんけどな～、
鬼両親が
そういう遺伝子持ってくれてたんやろな。
鬼、
めちゃめちゃ運が良かったわ！
あ、でも、
せっかくそんな風に産んでくれたからさ、
もっと手入れしてさ、
ハンドクリームのＣＭとか
出演出来るぐらい目指してみるわ！」
長い……！
我はこんな喋らん……
不自然やぁぁ！
そ、それは自分で応用したらいいわ。
自分の言葉に直してやな……
無理や！
は？
自分で考えんのなんか無理や……！
そのまま使ったらいいって形で
教えてくれな……
我はできん！
（腕をくみ、鬼に背中を向けてどっしり座る）
…………。
……おい。
できん！
…………さすがや……
なるべく苦労せずに成功したい
という煩悩を
恥ずかしげもなく
さらしてくるやんか……
できんで！
鬼！
お、おう。
すごい態度やな！
ほ、ほなこれはどうや？
なんや？
（メモを構える）
「ありがと……
運がよかったからさ……
ん、でも、
もっと頑張るから……」
これでどや？
……！（メモする）
……いけそうか？
あ……
ミミ子、地面を見て、座る場所を変える。
アリの列、
よけたったんか？
優しいやないか。
えっ？
ええええ、
ええええとおおおおお……
うひひひひひ！
ミミ子、走り去る。
変なリアクション出てもうてるで！
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今日のまとめ
★「謙虚すぎる人」はモテない！
★「ほめられた時」にダメなリアクション
「いやいやいやいや、そんなそんな。
ぜんぜん、ぜんぜん！」
とか！
謙虚すぎるリアクションをしてもうたら
頼りないように見られて好感度が下がる！
※「いやいやいや」ってやるのは、
せっかほめてくれた相手を
否定してることになるで！
★「ほめられた時」に
やったらいいリアクション！
「感謝」＋
「運が良かった」＋
「もっと頑張る」
こうやったら
傲慢（ごうまん）にも見えへんし、
謙虚すぎにも見えへんし、
ちょっとした自信を伝えることができる！
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