vol.5~「伝わる」ってどういうこと? ~
Vol4までは、「伝える人」「伝える手段」「メディア」について紹介してきた。
そもそも、伝わるってどういうことだろうか?
僕が中学生のころだった。
田舎の中学校に通っていたのだが、友達の一人に野球部で生徒会長なモテ男がいた。良いやつなのだが、自分が人気があることは自覚していたようだった。
その彼に好きな人ができて、告白しようと思う。と相談を受けた。人気者な彼だから、絶対大丈夫だよ!と背中を押した。
結果は、
撃沈・・・・・・・・・
「私はあなたのこと全然知らないからいきなり好きだと言われても無理」
彼はみんなから人気があったから、自分のことをよく知ってくれていると思っていた。だから、告白しても大丈夫だろうと。
さらに、彼は好きだということは伝えたが付き合ってほしいということを伝えなかったようだった。
嘘みたいな話だが、彼は、好きだと伝えて、お互いが両思いになれればそれでいいと本気で思っていたようだった。
「伝える」ということは、相手に何かしらの反応や行動を期待するものだ。
一方的に想いを伝えた彼は、本当の意味で「伝えた」ことになっていない。
「伝えた」結果、相手が自分の想定していた反応や行動をしてくれて初めて伝わったといえるのだ。
この「行動や反応を考える」ということはPRで非常に重要な観点だ。
さらに、彼は相手がどれだけ自分のことを理解してくれているのか、甘く見ていた。周りの評価=目の前の相手の評価ではない。
その相手がどれだけ知ってくれているか、その人のことを深く理解しないといけない。
PRは「良い関係づくり」である。
その良い関係を作りたい相手をよく理解して、どんな行動を取ってもらいたいのか
これを考えることがPRにおいて非常に重要である。
日常の生活においても、勝手に相手のことを解釈していないだろうか?
ちょっと嫌な人でも、どんな人なんだろう?なんでこんな言い方するんだろう?とちょっと距離を置いて客観的に見てみると、見えてくるものがあったりする。
それは、自分のイライラも抑えてくれるし、感情的に自分がリアクションをしてしまうことも防げる。(もちろん、そんな単純な話でないことも多くあるのはよくわかっているが・・・・・・笑)
それでも、PRをやっていると、物事を俯瞰してみること、一歩引いて見ることがクセになってくる。
最後に客観的に物事を見るためのオススメ方法を紹介したい。
それは、自分が記者やライターになって、その人やその物事のことについての紹介記事を書くことを想定することだ。FacebookでもTwitterでも良い。何かについての記事を書くことを想定してみると客観的に見れることが多い。
ただし、くれぐれも怒りにまかせて言葉をぶちまけるのではなく、読んだ人が面白いなと思うように紹介するという前提で。