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古着の魅力と「自分らしさ」。

こんにちは。こうです。
noteをはじめたての頃に「ぼくが考える古着の魅力」という記事を3回にわたって書きました。
最近、ふと古着の魅力ついて改めて考えていたら気持ちよく言語化ができたので、書き残しておきたいと思います。 
日々考えていることをもとにした内容なので、これまでの記事と重複する部分もあるかと思いますが、ご容赦ください。

古着の魅力① ルーツ


ここでいうルーツとは、洋服そのものやブランドの歴史、また制作や使用の背景です。
洋服の年数が経っているほどこれらの要素が濃い傾向にあります。
(もちろん新品や年数が浅いものでも魅力的なものはたくさんあります。あくまで傾向です。)

今やファッションとしては当たり前になっているカジュアルな衣服の数々(ジーンズ、トラウザー、Tシャツ、トレーナー、シャツなど)。
これらは1950年代以前までは基本的におしゃれとして着られるものではなく、作業着として扱われるものでした。
おしゃれや街着としてはスーツ、スラックス、ジャケットが一般的だったそう。

1953年にアメリカで公開した映画「乱暴者」
この映画では、マーロンブランド扮するジョニーとその仲間たちが革ジャン、Tシャツ、ジーンズを着用し、オートバイに跨る姿が描かれます。
映画に影響を受けた若者が真似て着出したことがきっかけで、「作業着、日常着」が徐々にファッションアイテムとして浸透していったといわれています。

映画「乱暴者(THE WILD ONE)」
現在の「カジュアルファッション」はこの映画から始まったといっても過言ではないかと。
デュラブルの革ジャンにLEVI'S501XX、エンジニアブーツのマーロンブランドが最高に渋い…。



このことからもわかるように、年代の古い服ほどファッション+作業着としての歴史と背景を読み取ることができます(新しめな服でも、当時のディテールや質感を忠実に再現している服などもあり、“ルーツに対するリスペクト”が見て取れる服も数多く存在します)。
よって古着は、洋服の中でも「ルーツを感じられるものが多いジャンル」といえます。

古着の魅力② カルチャー


洋服におけるカルチャー(文化)とは、「いつの時代にどんな人たちが、なんの象徴としてそれを着ていたのか」を指します。

例えば、先述した映画「乱暴者」。
この映画のストーリーを簡単に言うと、「バイクに乗った暴走族の若者たちが、小さな町で好き勝手やる」内容となっています。

カッコつけた不良たちがTシャツやジーンズを着ていたことで、それらの服が「作業着」から「ファッション」に昇華。
影響はそれだけではなく、革ジャンを着用しオートバイを乗り回していた描写から「オートバイ=革ジャン」のイメージを見事に確立。
「革ジャン」は「モーターサイクルカルチャー」において欠かせないアイテムとなりました。
またこの映画に登場する不良たちの設定は「第二次世界大戦からの帰還兵」。
戦争の影響で心が荒んだ若者たちの世間への反抗というメッセージも含まれた内容となっています。

「戦後(いつ)に、荒んだ若者(どんな人たち)が、反抗の象徴(なんの象徴)として身に付けていた」。
それがオートバイ、革ジャン、Tシャツ、ジーンズだったというわけです。

ルーツと同じく、とりわけ古着というジャンルは「さまざまなカルチャーを内包している服が多い」といえます。

古着の魅力③ 生き様

先述のカルチャーや、洋服を着ている人の中でも、特にその代表(特に関係しているイメージが強い人)となる人がいます。
そしてその服と人を深堀りしていくことで、その人の「生き様」を感じることができます。

「乱暴者」のマーロンブランド扮するジョニーは、暴走族のリーダー。
不良でありながら冷静でクールな佇まいは、ほかの登場人物たちとは一線を画す魅力があります。
そしてそんなにカッコイイのに、恋をした女性に対しては素直になれず不躾な態度を取ってしまう一面も。
昔ながらの不良のイメージぴったりな「硬派で不器用な男」なのでした。

今や革ジャンといえば「クールで男らしく、ちょっとワルい」イメージをもつ洋服の1つ。
乱暴者で描かれたジョニーの「生き様」は、まさにそのイメージを確立させたと言っても過言ではないかと思います。
このように、服×カルチャー×人を深堀りすることで、そこから「生き様」を感じることができます。
(今回は映画の登場人物が例ですが、実際の人物でもそのような例がたくさんあります。)



古着の魅力と「自分らしさ」


挙げた3つの魅力は、歴史の歩みの結果であり、今や不変の事実です。
自分がそれらに魅力を感じ続ける限り、時代や流行の変化に左右されることなく「好き」であり続けることができます。
また、さまざまな角度からみることで新たな魅力を見出すことも可能です。

目先の変化や新しいものを取り入れていくことはもちろん大切。
ただ「なぜ好きなのか」がわからないまま都度それらに飛びついてばかりだと、ときに本当の「好き」を見失ってしまうことも。

「ルーツ」、「カルチャー」、「生き様」。これらの魅力をもった古着は、見方ひとつで自分の内側の感性価値観を呼び起こしてくれる。
それらと共鳴した「好きな服」は自分らしさを大切にでき、かつ一生物として寄り添ってくれるものなのではないかと思います。


今回は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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