福祉職(対人援助職)とAIのこれからは
先日講師を務めた「同行援護従業者」の養成研修会での一幕。
その日は、視覚障害者の食事サポートの実習。受講者同士でペアになり、弁当を食べる当事者役を、同行援護従業者役がサポートするという内容。
その中では「弁当の中身がどんなものか伝える」体験も含まれます。
これがなかなか難しいんですよね。
ふと、AIならどう説明するんだろうと思い、ChatGPTに入力してみました
精度の高さはもちろん、いきなり食べ物ひとつずつではなく、最初に全体的な様子を説明しているとか、はっきりしないものを「〇〇のようなもの」と説明するなど、不慣れな人間よりよっぽど上手。「7時方向に鶏肉」みたいに安易にクロックポジション(時計の文字盤で方向を伝える方法)を使わなかったのも好印象。もちろん話題として受講生にシェアしました。
お金の無さと相まって、何かと人力で解決しようとしがちな福祉分野。「視覚障害者自身のAI利用」は広まり始めたものの「AIに対人援助職をサポートさせると」いう視点はまだまだ。今回の弁当の件は、それを考えるひとついい具体例。
福祉現場の私たちは「AIに負けるな」というよりも「AIをうまく利用しながら、生身の人間でしかできないことにより注力する。またはAIを利用して人間としてより資質向上をはかる。」という方向になればと思います。
もっとも、私の周囲では相変わらず「人海戦術」の様相。何とか抜け出したいところです。
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