2月
読んだ本と映画~!
まずは本~♪
『ペドロ・パラモ』 フアン=ルルフォ
本をよく読む方に南米でおもしろいのありますか~とお聞きしたら、『密林の語り部』と一緒にすすめて下さった小説。
感想は、みんな死んでてウケる!
小説にウケれるのはうれしいことだ。にしても薦めてくれた方が好きそ~!て思った。以前、野上弥生子の短編集を薦めていただいたこともあったのだが、それと同じものを感じた。語り口も舞台も全然ちがったが、”死”のまわりを漂う空気がおんなじだった。
しかし、「は?」「え?」と思いながらもまあなんとか読んでいると気付けば街が頭の中にあるのは作者の力量だよなと思う。この、気付いたら頭の中に景色が浮かんでいる感じはかなりよくあることだが、私は小説の前半部分はかなり斜め読みをするタイプなので、改めて考えるとこれは不思議だなと思った。恐らく私の中で、景色はレイヤー構造になっている。分厚く細かいところもあれば、かなりぼやけて薄いところもある。ちょくちょく入ってくる描写が折り重なって気付くと風景になってるんだなあ。これからちょっとその辺意識して本読んだりしちゃおっかな。
『タイタンの妖女』 カート=ヴォネガット
フィリップ・K・ディックもアルフレッド・ベスターも「面白い」より「読んでて疲れる」の気持ちが勝ってしまったことが悲しく、SF読むの苦手なんですよ~と泣き言を言っていたら見かねた人が貸してくれた本。
おもしろかった~~!手塚治虫大好きなので、水星での暮らしの描写なんかはかなりグッとくるものがあった。アニメ2クールくらい見た気分♪
てかてか、星新一も筒井康隆も大好きだし、SFが苦手ってわけじゃないよね!と思い直せた、ありがたい!そういえば小松左京読んだことないな、今度読んでみよ。
『ポポル・ヴフ』も読みましたが5000字を超えたので別で載せます。2月はポポル・ヴフの月だったな……。
映画
『雨に唄えば』
これもう大好き!!観るに至った流れとメンバーも良かったのかもしれないけど。楽しそうに歌って踊る物語に甘々だからな私。複数回観ている映画もミニオンシリーズとかラ・ラ・ランドとか楽しく歌って踊るのんばっかだし。元々、母親と海外ドラマGleeの影響で(あと時計仕掛けのオレンジでも聞いたことはありまつが)名曲 『Sing in the rain 』は大雨で陽気な日によく聞いていたので、観なくてはと思っていた作品でした。あの2人組のミュージカルずっと見てたい。いや~楽しかった。家まで30分くらい歩いて帰る道は愉快なステップ踏みまくり。窓やベランダから愉快にひょこりいろんな顔が飛び出してきて、見上げていたら知らぬ間に出てきていた人々に腕を組まれ、クルクルピョコピョコ連れていかれる視界の先には開けた公園、そこには皆居て明るく陽気なサビに突入♪ さらに進むとその先のケーキ屋ではパティシエがずらり出てきて色とりどりのスイーツを私の口にあ~んしてくれて……延々と妄想しながら帰りました。楽しかったです
『ローマの休日』
オードリーヘップバーン可愛~~~~!!!!!真実の口のシーンずるくないですか?
シンプルでほんと良かった。変に捻らないこういうのが一番きもちいい。シーンごとの見方も分かり易いからキャッキャ笑えてかわい~!言えて、疲れないですね。誰にでも勧められる名作というやつだ。
『LUCKY』
行きつけの飲み屋で頑固なことを言う主人公と周りの人々の感じが、気まずさの中にも愛がありリアルですごくよかった。他にも老人と人々の距離感にグッとくるシーンがいくつかあった。こういう感じを出せるのは実写ならではだな、という感動があったので観てよかった。
『マリッジ・ストーリー』
しょっぱなでまんまと夫婦2人ともすてきな人~~!てなってたので、喧嘩のとこと手紙読むとこが辛くてちょっと泣いちゃった。離婚したくない……離婚したくなすぎて結婚できないかもしれん。
『トゥルーマンショウ』
POPで明るそうな雰囲気のんを選ぼ~つって友達と見たんだけど、話が進むにつれて、あれ?待ってこれって?待てよこの女……えっCM?お前察しが良いな!結構不安系のSFじゃん!てなってた。筒井康隆先生が大好きなのでかなりハマりました。こゆストーリーではあるあるですが、おじいちゃん監督が傲慢すぎて笑う。
『ミッドサマー』
面白かった~~!めっちゃ泣いてだんだん怒るとこと、花のドレス引きずって泣くとこが好きだった。一緒に泣くやつマジでやりたいそしてやられたすぎる!こゆ民俗学っぽいのまあまあ興味あるし、衣装かわいいし、ダンス楽しそうだし、音楽も素敵だったし。あと寮のこと思い出すシーン結構あったな。てかあのモザイク何!?吹き出しそうなった、笑いどころ結構あったよね!?
私は、よっぽど気になってたり見たばっかの作品についてか、あるいは大好きな人の発言じゃない限り、SNSでの他人の感想が全然目に留まらない。ので、ほぼ何も知らずに観に行った。それでよかったな。
見終わって、人の感想気になる!とは思ったものの、いざ見たらかなり「はあ?」ってなったから。たとえば、監督のことやら知識ありきで「ホラーみ」を評価しようと観に行って評価するとかしてる人が結構いて、そりゃ居るし彼らはなんなら玄人なんだろうけど居ると知らないで観て良かった。あの映画のメインテーマが狂気と恐怖だとしたらまあまあ嫌だけどなあ…。
儀式について、よそ者を呼ぶことはどこまでの意図があるのかとか、連れてきた若者が2人だけなこと(“夏”の巡礼は恐らく人を連れてくる手段の意味合いもあるだろうし)とか、そもそもの生贄選びの雑さとか、ふむ……とは思った。でも生贄のための意図というよりも、血を途絶えさせぬため日常的によそ者を連れてきていると想像する方が自然か。90年に1回て!とも何回か思ったけど、そこはめちゃくちゃ口頭伝承されてきて彼らにとって当たり前にあるものとなっていれば有り得るかもしれないな。ベタベタすぎるし先読めすぎるだろとは思ったが、人々の向き合いの温度感がリアルで、ただただ狂気に訴えるのでなく生活がきちんと見える感じなのは良かった。なんか映像でやる分にはそのくらいのがちょうどいいと思ってしまう傾向はある。
実在の舞台で映像がきれいに作り込まれてる最近の映画だと、こっちも細部まで考えこんじゃうから参りますね。
っとここまで書いた晩、同じ監督のヘレディタリーを観ました
『ヘレディタリー/継承』
えーん観なかったら良かった〜。これを観たせいで、ミッドサマーも結局最後のシーンをやりたいだけの映画で、他の部分はその見え方のため、導入のため、あるいはそこまで見てもらうために消費されていたんだ、と思ってしまいかなりフラれたような気分になった。そりゃ「ホラーみ」的部分を評価する見方になるよなあ~~。よく考えれば創作物において、なにかを表現したくてそれにちょうどいいテーマを見つけて落とし込んで…なんて普通だししょっちゅうだなとも思う。伝えたかったこととか一生懸命考えたこと全部鼻で笑われたような気がしちゃって、観終わった直後はかなり悲しかったけど、今はちょっと立ち直った。ミッドサマーを先に観て良かった。そういやヘレディタリーは話そのものが結構分かりづらかったし、そこは趣旨を変えてミッドサマーはストーリーを分かりやすく分かりやすくしたんだろうなと思った。にしてもこんなに見え方が変わってくるとは、映画とかいう文化、面白いかもしれん。
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