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【ファンタジー】ケンとメリーの不思議な絆#42

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第七章 両親との再会


蘇る思い出

「おい、母さん、もしかしたら最後にケンに会えるかもしれないな」

「まぁ、本当に。一言でもケンの声が聞こえるのなら思い残すことはないわ。こんなに長い間、涙を流し続けたんですもの」

「思い出すのは、小さい頃から変わったことが好きな子だったということかなぁ。誰かれ構わず話しかけたりする人懐っこさがあったな。そうそう、小学生の時はよく一人でおじいちゃんの家に遊びに行ったりしていたな。おじいちゃんの話を聞くのが好きだったもんな」

「そうね、そんなこともあったわね。いつもあなたのお父さんの家に遊びに行って結局眠ってしまってあなたが車で迎えに行っていたわね。その度にかっこいい車だろうってケンに自慢していたわね」

「ああ、あの頃は憧れだったケンメリのスカイラインを中古だったけど無理して買った頃だったな。お前には怒られたけど、今にして思えばわがままを聞いてくれたお前に感謝だな」

「でもそのおかげでケンを連れて色んなところに行きましたね。いい思い出ばかりですね。あっ、そうそう、いつか車で出かけた時、ケンがトイレに間に合わずにお漏らししたこともありましたね。小学二年生ぐらいの時でしたね。あなたったら、車を汚すなよって車のことばかり心配してましたね」

「ははは、ああ、そんなこともあったなぁ。でもそのケンもいつしか成長して人の役に立つような立派な青年に成長したんだよな」

「そうですね。いつの間にか。。。世界をめぐってみたいと言うようになりましたものね。昨日のことみたいに覚えていますよ」

「ああ、そして旅に出ていってしまった。結局帰ることはなかったけどな」

「そうね。でもあの子の大きな希望は叶えられたのよね。そう思いたいわ」

「ああ、きっとそうだよ。だからもう一度会えたら笑ってやろう」

「ええ、そうですね。そうしましょう」

 二人は窓から見える夜空を見上げてながら、ケンの思い出話をしていた。とめどなく蘇ってくる出来事を思い出して、しばらく星空を見ているとほんのりと灯っている明るい空間が目に入ってきた。二人は思わず目を合わせた。

「ねぇ、あれ、あの灯り。もしかしたら、ケン、かしら」


つづく


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