【ファンタジー】ケンとメリーの不思議な絆#01
第一章 不思議な街
死後の街
あなたは、死んだ後に蘇ることはあり得ないと思っていますか?
それとも、転生することが蘇ることだと思いますか?
科学では証明できない事象は数多く起こる今の世の中。そんな現代での不思議な話を見て行きたい。不思議なつながりや絆で構成されている現代社会の過去と未来、人生とは絆で繋がっていると言ってもいいのかもしれない。そして、その絆を作ったり維持するために手助けしてくれる小さな存在もいるかもしれない。不思議な力はきっと存在すると信じたい。
実は、亡くなった後、人間界とは一線を画して蘇った人たちだけの街がひっそりと存在している場所がある。厳密には人間界に戻ってはいないので、蘇ったという表現は正しくないかもしれない。それでも意識が存在する状態ということでそう表現することにする。全世界で行方不明になった人や誰にも知られることなく死んでしまった人が集まって不思議な生活を送っている街があるらしい。
しかも、全世界から集まっているにもかかわらず、全員言葉が通じあっているという不思議な街だそうだ。この街には太陽の光が降り注ぐという日は無く、雨が降ることもない。一年中、雲に覆われ薄暗い曇りの日が連続して続いているだけ。当然だが、生きている人間は誰一人としていない。だから、ここにきた人たちは違和感もなく日々の生活を送っている。
もちろん、この場所は生きている人には知られてはいないので、自らやってくることはできない。もっとも普段は人間の目には見えないのでやってくることすらできない。ここで生活する人たちは、現実世界と完全に隔離され、不思議な力によって蘇った人たちが生活を営んでいるのだが、もし、何らかの事象で偶然に生きた人間と出会って話をしてしまうと、話をしたこの街の住人は消えて無くなってしまう運命を背負っている。つまり消えて魂は天国に召されるのである。二百年ほど前に一度、偶然にも迷子になった子供がこの街に入り込んでしまい、あまりにもかわいそうにと思い、話かけたこの不思議な街の住民が消えてしまったことがあったようだ。
この街の住人は、一体どのようにしてここまでやって来ているのだろうか?
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