【ファンタジー】ケンとメリーの不思議な絆#25
第四章 ワインの販路
生産現場の確認
試飲したときからワインを気に入っていたキヨシは、ホテルとの提携もうまく行きそうな感じを受け、自らフランスのワイン工場に行ってみる気になってきた。作っているのが女性ということも気になっていた。もしかしたら突然製造を止めるなんて言われると困るし、取引中止にでもなればもっと困ることになる。
キヨシは自分の目で確かめておきたかった。その間、店は弟のヨウジに任せればいいと考えた。ネット環境にも強いのはヨウジの方だったので心配はない。キヨシは、善は急げということで、思い立ったら実行しないと気が済まないタイプだった。
「ヨウジ、今回ケンの紹介でフランスからのワインのルートがなんとかできたが、ワイン工場は女性一人で切り盛りしているそうだから、継続できるか結構心配だよな」
「あぁ、それはそうだな。旅行プランでも結構いい感じになっているから、安定して輸入できる様じゃ無いと困ることになるな」
「そうなんだよ。だから、店はヨウジに任せて、俺はちょっとフランスに行ってくるよ」
「えっ、いや。ちょっとフランスにって距離じゃ無いだろう。お客さん対応どうするんだよ」
「お前がいれば問題ないだろう。店のことに関しては全権委任するから」
「うわっ、出たよ。言い出したら聞かない性格が」
「まぁ、そういうなよ。これも我々兄弟の将来のためだと思って送り出してくれ」
「わかったよ。どうせ行くなって言っても行くんだろうからな。ただし、行くからには成果を上げてきてくれよ。兄さん」
「おぉ、わかってるって。任せとけ」
キヨシは、こうして慌ただしく日本を立つことを計画した。メリーのワイン工場までの道のりを確認しフライトの予約もした。ちょっと距離はあるが便数が多い成田まで行って飛ぶことにした。
一週間後にはフランスのワイン工場の前に立っていた。
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