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美しい写真には心地よい「グラデーション」がある。


突然ですが下の2枚の画像
どちらが写真で、どちらがイラストだと思いますか?


花を持つ手の画像

簡単すぎましたね(笑)
左がイラスト、右が写真です。
正直、誰に聞いても正解出来ると思います。

…でもちょっと考えてみてください

この2枚の画像は両方とも同じjpgです。
同じデジタル上の画像データなのに一瞬で写真とイラストを判別できます。

よく考えると不思議な気がしてきませんか?

私達はどこで写真とイラストを見分けているのでしょうか?

実際は描写の細かさとか、肉眼で見たイメージとの近さとか色々あるわけですが

今日はグラデーションという視点で考えてみたいと思います。


グラデーションとは?


スカイツリーと空

グラデーション(gradation)とは、1つの図画の中で、色・見た目・エフェクト・テクスチャなどが連続的・段階的に変化する表現のことである。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

特に写真のグラデーションというと
上の写真の空のように淡いピンクがだんだん暗く青くなっていったり、
色味(色相/彩度/明度)が変化していくことをいいます。

ここでさっきの2枚の画像を見てみます。


左のイラストでは手の色はほぼ一色のみでグラデーションはありませんが
右の写真では細かなグラデーションがあることが分かります。

分かりやすいように単色のイラストをサンプルとして選んではいますが、写真とイラストの違いの一つとして

グラデーションの豊かさの違い

ということが言えそうです。

右の写真では上から柔らかい光が当たっているため
手の上部は明るく、下部にいくにつれて段々と暗くなっています。

撮影時にはこのようにハイライトとシャドウを作ることでより立体的で美しい写真にすることができます。

※これが絶対の正解ということではありません。選択肢の一つです。


写真でグラデーションを活かすには


写真の中で美しいグラデーションを作ろうとすると、
ヒストグラムに注意して撮影する必要があります。

白飛び、黒つぶれがNGとされるのは
グラデーションとディティールが失われてしまうからです。

ピンクのエリアでグラデーションが消えている




また、光でグラデーションを表現するには
柔らかい光が大切です。

直射日光では明るい部分から暗い部分までの変化が急で
グラデーションを活かす表現には不向きです。

カーテン越しの光など、柔らかい光はどこにあるのか気にしながら生活してみると発見があるかもしれません。



そしてレタッチでグラデーションを強調したり
作ることもできます。

特にマスク機能を使うことで写真の一部分だけを明るくしたり、暗くしたり、色を変えることができるので
グラデーションを作る際にはかならず覚えたいテクニックです。

マスクについての詳しい解説はこちら


おわりに


お読み頂きありがとうございました!

これから写真を撮る/見るときは、美しいグラデーションを探してみてくださいね!

Q.二枚の画像はどちらが写真でどちらが絵でしょうか?

答えはこのnoteの一番下に



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ONE UP!@one.up_photo では

"写真が今日から上手くなる!"をテーマに
撮影テクニックからレタッチの解説まで
初級/中級/上級に投稿を分けて幅広く発信しています。



【答え】

【左:油絵】
作者:Gregory Thielker (出典 https://gregorythielker.com/)

【右:写真】
作者:Saul Leiter (出典 https://www.saulleiterfoundation.org/color)


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