僕とMOTHER2 - その1
小学4年生の夏、僕はMOTHER2と出会った。
夏といってももう九月も半ば、いつものように友達の"りお"と遊ぶ。
りおは今でも遊ぶ、保育園からの唯一の友人だ。
※りおは男性です。
そんなりおは、MOTHER2との出会いに大きく関係してくる。
MOTHER2と出会ったきっかけはりおだった。
まだ残暑の厳しい9月の日曜。
まだ週休1日の頃、半ドンの土曜日に学校で交わした約束。
日曜日に片道3キロほどを自転車を漕いで遊びに行っていた。
遊ぶ内容は様々だったが、この頃は専らゲームをしていた。
りおには歳の離れた二人の兄がいる。
2番目の兄がMOTHER2を買っていた。
その兄がクリアをし、ソフトがりおに流れていた。
りおの部屋は南角の12畳もある元応接間。
3人で遊ぶにはあまりにも広く、そしてテレビは小さかった。
当時、複数人で遊べるゲームはまだ少なく、
有名どころではボンバーマンなどであった。
2Pまでがほとんどで、3人集まったときは交代するのが当たり前だった。
そんな背景もあったせいか、誰かが遊んでいるのを見るのが好きだった。
この日、りおが新しいソフトをやると言って画面に映したのは、
MOTHER2だった。
僕には衝撃が走った。
これがRPGなのか?
この頃、RPGといえばファンタジーが当たり前だった。
剣と魔法の世界で魔王を倒し、世界を平和にするゲーム。
プロセスはいろいろだが最終的なゴールは同じ。
RPGをそんな風に捉えていた僕にとって、
現代を舞台にしたMOTHER2 というゲームは、
衝撃的だったことを数十年経つ今でも覚えている。
ブラウン管テレビに映し出される赤い帽子を被った少年。
彼が主人公、名はネス。
ゴミ箱を漁り、ハンバーガーを食べ、
バットを装備してモンスターを倒していた。
りおのプレイするMOTHER2は丁度ツーソンの辺り。
頭にキノコを生やし、ユーフォーや謎の教団と戦っていた。
子供のいなくなるツーソン、青い村。
タダでもらえる卵、襲い来る地味な青年。
食い入るようにりおのプレイを見ていた。
MOTHER2が気になった僕は欲しくてたまらなくなった。
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