【ワンパブ・オープン社内報 vol.34】オープン社内報初の公開取材!『ムー』を操る陰の立役者登場
第2メディアプロデュース部『ムー』編集部・『webムー』編集長
望月 哲史
【ワンパブ・オープン社内報】は、ワン・パブリッシングで働く人を通して、会社・雑誌・メディアが今どのような新しいことにチャレンジしているかをお伝えしている連載です。今回取材したのは、『ムー』編集部歴10年超、本誌からWEB、イベント、関連グッズなどあらゆる展開に携わる望月哲史さんです。10月9日に迫った創刊44周年記念企画『世界と日本の異界を巡る ムー旅SP LIVE』のお話をはじめ、『ムー』と歩んできた10年間を十二分に語ってもらいました。(所属や肩書は取材当時のものです)
【社員プロフィール】
ムー編集者歴10年超。そろそろ「ムーの人」と名乗っていいですか?
―今回は、『ムー』編集部としては三上編集長、宍戸副編集長に続いて3人目、満を持して望月哲史さんのご登場です。ワンパブ・オープン社内報初の公開取材ということで、J-CASTさんが新しく始められたVR空間『バーチャ場』を使ってお話を伺います。望月さん、よろしくお願いします。
いや、満を持してって、そんなに人数いないですからね(笑)。よろしくお願いします。
―まずは、現在のお仕事に至るまでの職歴を教えてください。
過去にはフリーライターをやっていました。『GetNavi web』でも記事を書いていたんですよ。現在は執筆者一覧に載っていないですが、Googleあたりで検索するとログが残っているので出てきます。
ほかにもモノ系の媒体で記事を書いていたんですが、自分の中で「情報誌でやっていくのはちょっと限界かな」と感じるようになりまして。当時担当していたプレスリリースの記事化や、タレントさんの取材をまとめたりするような仕事は、ひょっとしたら将来機械がやるようになって、人間はいらなくなるんじゃないかなって気がしていました。もしくは、自分より若い人がやるか。
であれば、もっと自分の専門性を高めたい、ある意味異常に感じられるくらい専門的な空間に身を置きたいなと思うようになったんです。30代半ばくらいのことですね。そんなとき、当時Twitter、現在のXで『ムー』編集部の求人を知り、早速応募して今に至ります。
―昔から超常現象とかミステリーはお好きだったのですか? UFOを見たことがあるとか。
UFOは見たことありますよ。でも、別に『ムー』大好きです! オカルト大好きです! っていう人間ではなかった。そこが逆に良いと思ってもらえたのかもしれませんね。ただ、いざ編集部に入ってみると、この業界の当事者だという感覚を持つのに少し時間がかかりました。
そんななかで、忘れられない出来事があって。入社してわりとすぐくらいの頃、三上編集長に「君ももうちょっと悪魔とか信じて」って言われたんですよ。もちろん文字通りの意味ではなく、悪魔的なるものを薄目で見るんじゃなくて「しっかりと向き合え」、という意味だったんですけど。言葉としておもしろかったので、すごく印象的でした。
―その三上編集長の言葉で、望月さんは開眼した……?
それはあります。たとえば、『ムー』で悪魔そのものについて肉薄していくとき、「どこかに悪魔がいますよ」というのではなく、「ここに悪魔がいます」ってくらいの距離感になってないといけない。それがまさに、編集部の専門性による当事者としての立ち位置ってことになっていくのかなと。AをAです、と捉えるんじゃなくて、Aが実はBです、みたいな話もしなきゃいけないし。当事者として何を言うのかっていうのが、媒体としての特性だと思います。
僕も編集部に来て10年経ったので、そろそろムー面しようかな。うちの編集部には、三上丈晴しかり宍戸宏隆しかり、圧倒的な先達が多いので、なかなか言えなかったんですけど、ここらで「ムーの人だぞ」って主張してもいいのかな、なんて思ってます。
44周年記念イベント目前!テーマは「ムー旅」
―日々大忙しの望月さんですが、先日インドとメキシコに取材に行かれたと聞きました。これは、創刊44周年記念『世界と日本の異界を巡る ムー旅SP LIVE』のためのものでしょうか?
そうなんですよ。どうやら世間の方々にとって、『ムー』=秘境とかいろいろなところに取材に行く、みたいなイメージがあるようなんです。つまり、ムーに期待されているものの中に、旅という大きなテーマがあるので、そういった情報発信をムー旅というくくりでお伝えしていこう、というコンセプトのイベントです。
あとは、旅というと、どこかとどこか、何かと何かを結ぶものという意味としても捉えることができるので、異業種コラボもムー旅のひとつと言えるんじゃないかな、とか。
―名言来ましたね(笑)。今回のムー旅に関するエピソードをひとつ聞かせてください。
メキシコに行ったとき、マリカルメンというメキシコで一、二を争うという魔女に会いました。彼女に『ムー』の未来を尋ねたら、「あなたが自分の能力を信じて頑張ればいいのよ、良い未来が来るわよ」みたいなことを言われたんですね。「おいおい抽象的だな」って思ってたんですけど、最後に「あなた、そのうちまた海外に行くわよ」って言われまして。
実はこのメキシコ取材が、ものすごく久々の海外出張だったんです。だから、さすがにもう海外取材はしばらくないでしょと思っていたら、すぐ後にインド行きが決まったんですよ。まさかの大当たり。ということは、『ムー』の将来を良くするためには、自分が頑張るしかないってことだよなって(笑)。
インドは、デリーとリシケシに行ったんですが、『ムー』としての取材の成果としては、ヒンズー教の信仰文化に直に触れられたことが大きかったです。カーストが始まって3000年ですかね、つまり3000年分の信仰文化があるわけです。社会構成のベースがまったく違うなと思いました。って、夏休みにインドに行った大学生みたいですね。インドに行った奴インドを語りたい説、みたいな(笑)。
―価値観が180度変わって帰ってきたわけですね。そんな望月さんの海外出張の様子も、10月9日のライブ配信で詳しく見られるのでしょうか。
はい。あとはSNSで「#ムー旅メキシコ」「#ムー旅インド」と検索してもらうと、向こうでの写真を載せていますし、『webムー』でも記事化されていますので、ぜひ。
―というわけで、今回はオープン社内報の前半をJ-CASTさんの全面協力により、「バーチャ場」からお送りしました。最後にこの配信を聞いているムー民の皆さんに、これからやってみたいことなどメッセージをいただけますか?
世間の流行とか時事的な出来事が起こったとき……たとえば、UFOとかネッシーとか埋蔵金とか怪談とか、ちょっと不思議で怪しい話が出てきたとき、『ムー』はこれについて何を言うのかな? 何をしてくれるのかな? というのがムー民の期待感なんだろうなと思っています。『ムー』だったらその謎にどう挑むんだろう? っていう期待にこれからも応えていきたいです。
―このほかにも、たくさんの「ここだけ話」が聞けました。さらに詳しい話が知りたい人は、こちらをご覧ください!
▶ムー編集部の人がVR空間で社内報に取材された模様
世の中のすべては『ムー』に通ず。さらに『ムー』を発展させていくために
―ここからは望月さんご自身のこともお聞きすべく、いつも通りクローズドな取材でお送りします。望月さんは本当にあらゆるジャンルのことを担当されていて、特にライセンス事業の展開が素晴らしいと思うのですが、そういうアイデアってどこから湧いてくるんでしょうか?
そうですね……世の中なんでも『ムー』になるので、どこに行っても何を見ても、『ムー』だったら何をやるかなって考えていたりはしています。
たとえば、「ちいかわ」と絡むとしたら何ができるかとか。サンリオだったら、ちょっと不気味なキャラだけを集めてムーセレクションにしたら面白いかなとか。老舗のお菓子とコラボしたら何ができるかなとか。一見『ムー』と100%関係がない(と思われる)世界でも、いつどこからコラボの打診が来るかわかりませんから。
―常にアイデアをストックされているんですね。では、お仕事をしていて楽しいとき、うれしいときはどんなときですか?
『ムー』で関わった人が世に出るとき。『ムー』でイラストを描いている人が有名になったり、取材した人が注目されたりすると、やっぱりうれしいですね。
最近で言うと、吉田悠軌(よしだ ゆうき)っていう怪談作家がまさにです。8年くらい前に声をかけて、ずっと本誌で書いてもらっていたんですが、怪談界では理論派というか、考察もしっかりする、作家性もある、トークもできるということで、露出が多くなってきました。
この界隈の人たちって、どうしても世に出にくいんですよ。でも、『ムー』で連載していることでメディアから取材を受けやすくなったり、活動しやすくなったりするのであればぜひ活用してほしいです。逆にほかの場所で得たものを『ムー』に何か持ち帰ってきてくれたら、さらにうれしいですね。
―反対に、大変なこと……行き詰まっているというか、課題に感じていることはありますか?
動画編集に関しては、個人的にちょっと行き詰っている部分があります。もちろん、今回のイベントみたいな企画性のあるライブ配信や取材先の様子を動画にする制作はわかりやすいんですが、一方で、新しく「ムーの映像コンテンツ」を作るうえで、どんな形でまとめていくか、今後どう作り上げていくかは課題かなと思っていて。
見様見真似で、頑張れば何とか自分でできるだろうって努力してきたけど、撮って出せばいいってことでは全然ないんですね。どういうコンセプトで、どんな動画を撮りたいか、そのためにはどんな素材を撮っておかないといけないかをディレクションできる人、動画専門のディレクターが絶対的に必要だということがわかりました。シリーズもので、イベントと絡めるといいかなとか、今いろいろと画策中です。まずは10月9日の生配信を見ていただきつつ、『ムー』のYouTubeチャンネルもより強化していくので、ご期待ください。
加えて、動画に限らず、各編集部のさまざまな成功・失敗体験は、ほかの編集部にも共有すべきだなと改めて感じています。正直、僕自身ほかの編集部がどんなことをやっているのか、あまり知らないですから。ここの部署がこんな経験をして、こんな気づきを得たから、別の部署で似たようなことをやるときは話を聞こうぜ、とか、会社全体でそういう場がさらに作れるといいんじゃないですかね。
だって、僕が勝手に『FYTTE』編集部に行って動画制作のあるべき姿とか進め方を頼まれてもいないのに熱く語ってたら、ちょっとおかしいじゃないですか(苦笑)。いろんなノウハウの共有を強化していけると、ワンパブ全体がもっともっと強くなるんじゃないかな。
―では、これから挑戦してみたい夢や目標を教えてください。
今回のイベントでムー旅を経験したことで、究極のリモート勤務も夢じゃないなと思いました。実際メキシコでもインドでも、普通にWEBの仕事をしながら、昼間は取材して……ってやってましたから。ただ、現地からの生配信ができなかったんですよね。
だから、日程調整とか確実に繋がるグローバルWi-Fiとか綿密に準備しておいて、ある国に半月くらい滞在し、「今、〇〇にいます」って取材して報告しながら、通常業務もこなす。そして、日本時間で視聴してもらえる時間帯に生配信。完璧なムー旅移動編集部を実現したいです。
―すごくおもしろそうですし、すぐにでも実現できそうな夢ですね! 最後に、これからワンパブに入りたい、『ムー』編集部に興味があるという人に向けてメッセージをお願いします。
これは『ムー』に限らずですが、たぶん無駄な経験ってないと思うんです。今思えば、僕がライセンスグッズの世界をすんなり理解して進められたのは、過去に『GetNavi』を始めとする情報誌での経験があるからなんですね。今まで経験したことが、思わぬ場面で活きてくる。人生の予習をしても意味がなくて、何がどう結び付くかはわからないけど、好きでやっていたことが、いつかどこかで仕事に結びついたりするんですよ、本当に。
会社にいる各自がこっそりプライベートを充実させることで、「いや実は僕、そのジャンルに詳しいです」ってことが出てくるわけで、それこそ会社が集団でやってる意味ですよね。だから、頼まれてもいないことを一生懸命やる。これが大事かもしれないですね。
「雑誌や出版物は、常に進んでいる船」だと望月さん。編集部だけではなく、たくさんのスタッフと同じチームとして進んでいくには、責任もある。自身も10年前に『ムー』という船に乗り込んだ者として、今度は船に乗ってくる人たちをどう支えるかが課題だと語ってくれました。まさに船の原動力のひとつである望月さんの挑戦はこれからも続きます。望月さん、ありがとうございました!
(取材:水谷映美/撮影:我妻慶一)