【2023年版】週末2日で読める! ソムリエ/ワインエキスパート2次試験対策 ~大多数の「凡人」のためのメソッド~ 最後に、今年の出題予想つき!

割引あり


<読み飛ばしOK> 自己紹介

まず、はじめに自己紹介をしましょうか。ご興味ない方は読み飛ばしていただいてOK!
篠原直樹(しのはらなおき)です。47歳のおじさん。
ソムリエ試験は2004年合格、シニアソムリエには2009年に合格してます。ついでに言うと2008年にはチーズプロフェッショナル、2017年にはJSA Sake Diploma合格。ぜんぶ一発合格っす。(ドヤ)

2014年から、ワインスクール レコール・デュ・ヴァンの講師をやってまして、2015年2016年は受験の主任講師でした。(多忙につき2年で辞退)

ワインの経験値の大部分は2005年から2011年まで働いていた銀座/渋谷のワインバー「シノワ」で得ました。毎日毎日、フランスを中心に世界のバラエティ豊かなワインを触らせてもらえました。特に最高峰の銘醸ワインや熟成したワインの味わいをいろいろ経験できたのは、大きかったですね。。。すでにワインは価格高騰のトレンドに入っていましたが、それでも入社当時はラフィットで仕入れ1万円ちょっととか、そんな価格だったので、今の若いソムリエさんよりは銘醸ワインを学びやすい時代でした。。。
2011年に自分の会社「ワンモアグラス」を設立して、酒販を始め、同じ頃「オーストリアワイン大使」に選ばれた事もあり、オーストリアワインの販売をメインに活動。

自分のテイスティング能力は、まあ嗅覚は平均的。味覚は人よりやや敏感かなと思ってます。視覚は、軽度の赤緑色弱持ちなので、正直、白ワインの微妙な色調の差とかは、他の方より感知できてないんじゃないかなと思います。
自己評価ですが、分析は得意で、教えるのも得意。昔から、子供に勉強を教えると「わかりやすい」とよく言われます。

これはシノハラ流テイスティング術の奥義「耳テイスティング」です。僕クラスになると、聴覚でもワインを分析します。まだワインの声は聞こえません。ワインの声が聞こえるようになった時、それはテイスターとして一つ上のステージに進んだのか、はたまた認知症の介護がはじまるのか?

このコンテンツの使い方

気になる箇所だけ読んでください。読み飛ばしてもOK「ちょっと何言ってるかわかんない」箇所はスルーしてもOKです。
でも、2日くらいかけて、順番に読みすすめるのを推奨

1番地 試験のおさらいと、凡人メソッドの概要

1-1 この試験の目的 ~落とすための試験~

試験対策の第一歩は試験をよく知る事から。
まずは2次試験についておさらいしましょう。
退屈かもしれませんが、お付き合いください。

一般に、試験には3種類あります。
受からせるための試験」と「落とすための試験」と「コンテスト」です。
「受からせるための試験」の代表は、「自動車運転免許試験」や「漢字検定」など。
純粋に理解度を図り、一定の基準を満たせば、合格となります。合格者に定員がない試験です。
「落とすための試験」の代表は、「大学や高校などの入学試験」ですね。定員が決まっており、成績の悪い方に落ちてもらって、合格者数を整える試験です。
「コンテスト」は一人もしくはごく少数の「勝者」を決めるもの。この試験ではほとんどの参加者が「敗者」になります。勝者になるには、抜きん出た能力か一か八かのリスクを取る必要があります。

おわかりかと思いますが、「ソムリエ/ワインエキスパート2次試験」は、「落とすための試験」に該当します。「この水準まで達すれば合格」という絶対基準ではなく、「今年の受験者が3,000人で、合格者は2,000人程度にしたいので、成績下位1,000人は不合格にする」というのもの。
 この試験は、「ワイン」という不安定な物体を相手にする試験ですし、難易度も、実際やってみなければわかりません。(先日 簡単なつもりで「チリのカベルネ・ソーヴィニヨン」を生徒さんに出題したところ、誰も正答できなかった、ということもありました。)試験前に「この水準まで達すれば合格」というラインを設定しにくいんですね。「毎年の受験生のレベルがほぼ一定と仮定して、その上位2/3~1/2程度を合格」とするほうが、毎年の受験の難易度のブレがなく、そういう意味で、まあ妥当な方式だと思います。

あっそうそう。
そういえば、ね。
毎年、皆さん、仲間を作って、一緒に実力UPしようとされてますが、仲間もライバルなんです。仲間がレベルアップしてしまうと、自分はその分合格しにくくなってしまうんですよ。気づいてましたか??本当は、他の受験生は蹴落とさないといけない。ですから、仲間には嘘の情報を教えて、本当の情報は自分だけで独占するのが正しい(笑)この本は仲間には教えないでおきましょうね。

・・・うそうそ。
そんな生き方しちゃイカンですよ。受験的に正しくても、人生として間違ってます。みんなでレベルアップを目指して、その中で正々堂々勝負しましょう!

ということで、ぜひ、お仲間にもこのコンテンツを勧めてください(その方が僕が儲かるからでは、決してない・笑

1-2 試験の母集団と合格率から考える難易度

2次試験は、前年と前々年の不合格者が再挑戦組も参加します。その中で、最終的な合格者と受験数を考えると、合格率は年によって多少変わりますが、おそよ50%~65%くらいです。
 そう、半数以上が合格する試験なんです。でも、この数字が絶妙に怖いですよね!
1次試験と違い、「徹底的に時間をかければ必ず受かる」というものではありません。ほとんど準備してなくても、チャッカリ受かってしまう事もあれば、必死で準備したにもかかわらず、不合格になる事もある試験なんです。
 そしてこの試験は、「ソムリエ協会の呼称認定試験」においては、エントリーレベルの試験です。上位にソムリエ/ワインエキスパート とも「エクセレンス」という呼称資格があります。(この「エクセレンス」は現状、絶望的に難しいので、中間レベルの呼称もできるといいなあ、と個人的には思います)
 母集団はどういう方たちかと言うと、ソムリエのほうは飲食店の若手サービス担当、あと料理人も最近はけっこういて、これは年齢層が幅広い。インポーター/酒屋など酒販の若手、そして、かなりのボリュームで、キャビンアテンダントさん。ワインスクールには、「CAさんと出会いたくてワインを勉強しはじめました。」というオッサン(失礼)がけっこういます。きっと若い時はモテたくてギター弾いてたんだと思います(笑)
いずれにせよ、「はじめてワインの呼称資格にチャレンジする」方たちの試験です。そして、半数以上を合格させる。。。出題者の目線で考えると、「そこまで難解なワインを出題する必要はない/出すべきでもない」という事になります。

1-3 試験の物理的制約から考えるワインの出題範囲

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