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ドローンで叶う?空中母艦の夢
前回は、空中空母について語ってみました。空飛ぶ空母そのものは難しいものの、飛行船から複葉機が発艦・格納されることは実現していました。
しかし、大型飛行機から小型戦闘機が出入りすることは実用的でないと判断され、現代では実現されていないことをお伝えしました。今回はその続きです。
◆現実化を帯びてきた空中母艦計画
近年、米国防総省高等研究計画局(DARPA)という機関が、「無人飛行機が大型機からの発進・回収ができる方法」を、各研究機関に打診してアイデアを募集している情報が流れてきました。
「アメリカが本気で『空中空母』を開発か?」と話題になっているのですが、大型機からの発射・回収なので、アベンジャーズのような空母の形ではないようですね(^^)
無人機の活動可能範囲を広げることで、経費削減と人的事故や被撃墜のリスクを減らすことが目的だそうで。
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無人機が搭乗してくると、人間不在の戦闘など、ちょっと怖い気もしますし、まさに「ターミネーター」の世界のようですが、無人飛行機やドローンの平和活用も今後は充分有り得る話だと思うのです。
◆ドローンで救難・救助活動を
現在、災害時にはヘリによる救助活動や捜索活動が行われていますが、これからは無人機やドローンを活用する可能性も出てきました。実際に研究開発が進められており、被災地域の空中調査や噴火などの危険な状況下での調査に有効とされています。
特に、有人ヘリコプターの場合、巻き上げる風で被害が拡大したり、ヘリの騒音が地上の救助活動を妨げることがあるため(例えば日本の報道ヘリなど)、無人機の活用によって騒音を軽減できる可能性があります。
ドローンを応用した救助システムを勝手に色々と考えてみた
母機は地上での救助活動を妨げない場所か、捜索活動圏外で待機させ、そこから発進した小型ドローンにはカメラ、拡声器、集音マイクなどの捜索に必要な機器を装備するのが良いでしょう。
母機に搭乗している捜索員がモニターから操作し、被災者への呼びかけも行えます。また、必要に応じて救難ヘリの要請や地上救助隊への通信も可能です。これはアメリカがかつて行った「アクロン号」「メイソン号」のような捜索エリア拡大スタイルと言えます。
ドローンの数だけ捜査員と操作機械を搭載する必要がありますから、母機は完全に空中母艦のようになります。
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もちろん地上から飛ばすことも可能ですが、被災地が広範囲の場合、ドローンの航続距離や滞在時間の問題があるため、母機が被災地の中心まで行き、そこから捜索ドローンを発進させた方が良いと思います。
問題は、ヘリコプターが母機の場合、ローターからのダウンウォッシュがあるため、発進・回収が難しいかもしれません。一旦着陸してからドローンを発進させることになるかもしれませんね。
飛行船の再活用やスマホ活用も
飛行船はこうした場面で非常に便利かもしれません。上空での滞在時間を気にする必要がなく、中継基地として活躍する場もあるでしょう。
ドローンのバッテリーが切れかけた際には回収して再発進させることも可能です。また、被災者のスマホと連携するアプリがあれば、救助要請信号やGPS信号をドローンが拾うことができ、被災状況をいち早く把握できるでしょう。スマホからの呼び出しに対応できる機能もあれば良いですね。
どうでしょう?こうした使われ方なら、夢が広がると思いませんか?
それと同時に、救助の際には本当に邪魔になる報道ヘリも、この際ドローン以外は禁止にするとか、救助優先の報道禁止エリアを設けて欲しいですね。
色々と考えるのも楽しいものです。