
UX概説 1. テスラーの法則 ドラフト版
UX(=User Experience)とは、「ユーザーがプロダクトを利用した際に得られる体験・感情全て」のことです。
例えばメッセージアプリで友人に連絡する⇒スタンプを購入する⇒恋人からの返信がなかなか来なくてイライラする… これら全てがUXに含まれます。
1. テスラーの法則
テスラーの法則は、ユーザーインターフェース設計における重要な原則の1つです。
おそらく、今までのインターフェイス設計で実施していた法則の一つです。設計段階での実装時に開発サイドやユーザーとの間で論議があったりと、悩んだ経験がある諸氏には既知の法則となるでしょう。
テスラーの法則の定義
テスラーの法則は、「どんなシステムにもそれ以上減らせない複雑さがある」という考え方を示しています。この法則は「複雑性保存の法則」とも呼ばれ、シリコンバレーの研究者ラリー・テスラーによって提唱されました。
テスラーの法則の核心は
・どんなプロセスも、その核となる部分には取り除くことのできない複雑性を抱えている。
・この固有の複雑性をデザインと開発の過程でどうにかしながら、できる限りユーザーの負荷を減らす必要がある。
・シンプルにしすぎてインターフェースが抽象的になりすぎていないかに注意する。

複雑性の移動
テスラーの法則によると、複雑性は完全に取り除くことはできませんが、移動させることは可能です。つまり、ユーザーが負担する複雑性をシステム側に移動させることで、ユーザー体験を向上させることができます。
この法則をUIUXデザインに適用する際の重要なポイントは
・不要な複雑さを排除し、シンプルさを追求する。
・ユーザーではなく、可能な限りサービス側で複雑さの負担を処理する。
・過度にシンプルにすると抽象的になり、逆に理解を妨げる可能性があるため、バランスを取る。
具体例1
Eメールシステムでは、差出人と宛先の情報が必須の複雑性であり、これを軽減するために最近のメーラーアプリでは
差出人を事前に入力しておく、宛先の入力開始時に、アドレス帳から候補を表示する。
このように、複雑性をシステム側で処理することで、ユーザーの負担を軽減し、メールを書く作業を少しだけ楽にしている。
具体例2
オフィス系のEXECLを起動し、該当のマクロを実行してデータを張り付けることで、起動・選択などのユーザー負担を軽減することができる。
ただ、具体例1は宛先の最終確認など、ヒューマンアクションが必要であれば、そのようなアクションまで組み込むのか、また具体例2はV/Lアップによって、マクロとの整合性がとれなくなる可能性があるなど、その後の運用保守など複雑性を排除するにあたりトレードオフがあることをユーザーと協議の上、可否を判断する必要があります。
※ドラフト版のため、内容修正および削除の可能性があることをご承知おきください。
いいなと思ったら応援しよう!
