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六人の噓つきな大学生

浅倉秋成 2021年

・あらすじ

IT企業「スピラリンクス」の最終選考に残った波多野祥吾は、他の五人の大学生とともに一か月で最高のチームを作り上げるという課題に挑むことに。うまくいけば六人全員に内定が出るはずが、突如「六人の中から内定者を一人選ぶ」ことに最終課題が変更される。内定をかけた議論が進む中、発見された六通の封筒。そこには「○○は人殺し」という告発文が入っていた――六人の「嘘」は何か。付箋の狙撃手が仕掛ける究極の心理戦!

『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成(2023)表紙あらすじ

・感想

SNSで紹介している人が多く前々から気になっていました。先月別の映画を観たときに、始まる前のところでこれのCMが流れて映画化されることを知りました。その帰りに、本屋でたまたまこの作品を見つけたので買ってきました。

人の本質を突く作品でした。私たちは表の顔と裏の顔を持っています。それで、ここまで傷ついてしまうのかと感じました。ディスカッションのために、六人は打ち解け合い、良い関係性になったかと思いました。しかし、その時は2011年。東日本大震災直後。こういった状況から会社の方針で一人だけを採用することに。そのディスカッションの時に誰が内定にふさわしいかを決めるのですが、過去の悪事を暴き合ったりするんですよね。あのディスカッションの後、人を信用できなくなった人がいたりしました。身近な人の内面は気になるものですが、それが時として、良いことばかりをもたらすとは限らないと感じました。

人は自分が不利な立場に置かれると、嘘をついてでもその壁を乗り越えようとすることが言われていました。この作品での新人の採用はとても分かりやすい構図に感じますね。学生は自分の実力と会社のレベルに合わないから、「サークルでまとめ役でした」とか、「持久力があります」と嘘をついてしまうようです。一方の採用側は、一回でその人のことを理解することが難しいので、自分は人を見抜いて、選び抜けると心に嘘をついてしまう。そうした結果、後々不十分な結果になってしまうということが書かれていました。

自分に正直になれば、人生は充実しない。一方、自分に嘘をつけば、後々何処かで噛み合わなくなって、面倒くさいことになる。どちらにしても、選び難い選択だと感じました。自分に合わない仕事に就いて精神を病んだという話は、よく聞きますが、偽りの自分を突き通したから、こういったことになるのだと感じました。

私も近い将来社会人になる身として、もっと自分に正直でありたいと感じるところです。

映画『六人の嘘つきな大学生』
2024年11月22日公開
https://theater.toho.co.jp/toho_theaterlist/6nin_movie.html

・書籍情報

初版刊行:2023年6月25日
刊行元:KADOKAWA
定価:814円(税込)
ISBN978-4-04-113401-6

備考
単行本:2021年3月、KADOKAWA

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