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赤と青とエスキース
青山美智子 2021年
・あらすじ
メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。彼らは「期間限定の恋人」としてつき合い始めるが……(「金魚とカワセミ」)。
額縁工房に勤める空知は、仕事を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんな時、『エスキース』というタイトルの絵に出会い……。(「東京タワーとアーツ・センター」)。
・感想
青山美智子さんと言えば、昨日11月14日に『人魚が逃げた』という新刊を出しましたね。この本、この間調べものしているときにXでたまたま見つけて、結構興味持っています。そんな青山さんの作品ですが、一昨年の夏からいろいろ読んできました。『鎌倉うずまき案内所』、『お探し物は図書室まで』、『月曜日の抹茶カフェ』いずれの作品も、人が忘れてしまっているけど、実は大切なところにそっと手を触れてくる感じがあります。こういった
ところに温かみがあり、尚且つページ数もちょうど良いのでとても読みやすいです。初心者の方にも安心しておすすめできます。このあたりの話は明日、まとめた動画をアップする予定です。
さて、今回紹介する本は『赤と青とエスキース』と呼ばれる小説です。このお話は2021年11月に発売され、今年の9月に文庫化されたばかりです。以前から読みたい読みたいと思っていましたが、なかなか手にする機会もないまま3年。この間、本屋に行ったときにたまたま文庫化されたことを知って買いました。
大学生のレイが留学先で知り合った、彼氏「ブー」との期限付き?の日々を綴った小説です。彼らはひょんなことから出会いますが、レイはもともと日本の大学生だったので、日本にもちろん帰ります。なので「そこでの日々が綴られ、最後は泣き別れになるのかな」とか最初は思いました。ですが、まったく考えていなかった展開が待っています。帰国後の額縁工房で、ある絵と出会い、その絵を通して、二人はまた交わっていくのです。
『赤と青とエスキース』の赤と青って何だろう、レイとブーって何だろう。(豚のブー?)おっと失礼しました。とか思っていたんですよ。読み進めていくうちに、凄いからくりが働いていました。絵画は赤と青の絵の具で描かれていました。それは男と女の関係。そして、レイはRedからブーはBlueから来ていたんです。(豚のブーじゃないのか)←コラコラ それ知ったときは本当に胸アツな展開でした。すごい巧妙な描かれ方だなあと...。
ちょっとした縁って大切ですよね。この作品もレイが額縁工房に行かなければ、ここまでの話にはなっていなかった。留学の時で話は終わっていた。そう考えると、凄く感傷深く面白い話だと思います。
青山さんの作品って、人との縁にフォーカスした作品が多いような気もしますね。前も同じようなこと思って書いた記憶があります。
・書籍情報
初版刊行:2024年9月6日
刊行元:PHP研究所
定価:858円(税込)
ページ数:264p
ISBN978-4-569-90423-8
備考
単行本:2021年11月、PHP研究所
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