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#006|A4・1枚で、組織を動かせるか。

【はじめに】

こんにちわ。EDIIT Inc.・CEOの榎本です。

前回の記事「ビジネスにおいて重要なのは『再現性』」では、組織の力を高めるためのナレッジ獲得について解説しました。

社会現象を科学するプロセスは多くの方から反響があり、その後、私のもとには

「どんなドキュメントで、プロジェクトを推進したのか」

というご質問をいただくようになりました。

関係者も多く、今までにない文化や風土をインストールすることに対して、どのように進めたのか、その時の考え方や資料の使い方について関心を寄せている方が多かったのです。

ポイントは明るい未来を想像させること。プロジェクト推進の裏側にあったドキュメンテーションについてお伝えさせていただきます。

01.ブレイクスルーの視点を共有する

詳細な説明に入る前に、一つご質問させてください。

「みなさんはなぜ、仕事に資料が必要だと思いますか」

業種や立場によって異なると思いますが、私は、状況を整理し、構造的にとらえ、ブレイクスルーへと導く視点を関係各位とすり合わせるためだと考えています。

特にEDIIT Inc.が立ち向かう課題は様々な会社、立場の人が入り混じり、扱う事業データの種類も多岐に渡ります。そのため、課題解決以前の認識のすり合わせにじっくり時間をかけます。

どういう視点で状況を整理し、新しい提案が受け入れられやすい整理をするのか。プレゼンテーションやディスカッションの全体像を描きながら必要な資料をイメージするのです。

ただ、あまりに夢中になりすぎると本末転倒。説明過多になったり、優先順位の低いデータまで準備したりするなど、資料をつくることが目的になってしまいます。

これは特に若手ビジネスパーソンに多く、とにかくたくさんの情報を詰め込んで関係者からのどんな質問にも答えられるように準備をしがち。必要な情報を見極め、生産性を上げることを意識してほしいですね。

02.その資料は、人の心を動かせているか

さて、ここからが本題です。

アニメ製作委員会の現場(プロジェクト)において如何にリテラシーのGAPがある方々にWeb関連業務を理解>納得>ルーチン>自走して頂くか。その全体像の資料(数年前の資料になってしまいますが)を少しご紹介させて頂きます。

結論はこちらです。
※企業や個人が特定される箇所は編集しています。ご容赦ください。

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ゴールにたどり着くまでの期間を3段階に分けました。

徐々に組織のレベルが上がるイメージをしてもらえるように階段型のラインを引き、各マイルストーンの下に主要タスクを配置。

これによって理想的な未来も、今すぐやるべきことも明らかになり、実現できそうなイメージが関係者に湧いてきます。ゴールに対してプロセスを分解し、時系列で分けることで、リアリティを持つことができるのです。

デザイナーやエンジニアなどのクリエイターが、カスタマーを動かすために表現にこだわるように、私のようなビジネスプロデューサーも目の前の関係者を動かすために資料にこだわる必要があります

その1枚で人が動くのか。お客様の前にお出しする前に何度も考え、練り上げているのです。

03.あるべき姿へリードする資料

次はマーケティングを強化するため、データの一元管理の必要性を説いた資料です。

製作委員会に参加している企業各社が保有しているデータを、ひとつのデータベース、ダッシュボードで管理するスキームを構築するため、そのベネフィットを伝えることを目的としていました。

私が用意した資料はこちらです。

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すべてのデータを集約し、施策ごとに時期やシーズナリティの影響がどう出たか、施策同士の相関が見られたかなどを分析し、勝ちパターンや、グロースのヒントを発掘できそうな印象が直感的に分かる資料にしました。

そして、そのすべてが予算最適化の、黄金比を見つけるスキームであることが分かるよう、何度も修正をかけました。資料を何枚もめくらなくても、マネジメントレイヤーの人間が瞬時に分かる仕上がりを目指したのです。

さらこのスキームが一連のマーケティングPDCAサイクルの中で動いている印象を加えるため、次ページでは次のような資料を展開しました。

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製作委員会の中にマーケティングのエンジンをつくること、そしてその実現のために関係各位がコミットしてくれるようにリードすること。

この2つの役割を満たすためのドキュメンテーションです。

04.顧客を取り巻く環境を構造化する

03.ではマーケティングを取り巻く環境について言及させていただきましたが、04.ではマーケティングそのものについて触れます。

IPの人気がある時はいいのですが、陰りが見えたり、さらに高い売上を目指したりする時など、呼吸をするようにアイデアを打ち出せるようになる必要があります。

そのためにはデモグラ情報はもちろん、価値観、タッチポイント、クリエイティブなど、取り巻く環境の理解は必須。

一流のマーケッターであるほど、うんうん悩まず、目的に応じてスピーディーに手を打つのですが、それも顧客を理解しているところが大きい。

こうした考え方を伝えるために用意した資料がこちらです。

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顧客を多面的に見つめることを効果的なアイコンを使いながら解説させていただきました。

マス媒体全盛期のように、TVCMを3回見たら購買行動に走るという分かりやすい現象はなく、複数のタッチポイントによって意欲を醸成するため、エコシステムの全体像を正確に捉えるのが、顧客分析の基本です。

その複雑さから逃げると、声の大きい人や、立場がある人の鶴の一声に左右される博打型のマーケティングから抜けることができなくなります。

王道を走り、壁が出てきたら全員で知恵を絞って正面から超えていく。奇をてらわず、真っ直ぐ進み続けるのが実は一番の近道なんです。

分かりやすい資料をつくって、関係者と合意形成を図り、物事を進めていく。マーケティングという仕事は地道な作業の連続です。

スマートに見えるEDIIT Inc.は今日も着実にプロジェクトを進めています。

編集後記:その資料は、何を動かすのか

「資料なんて誰がつくっても一緒」

ということはありません。

資料ひとつでプロジェクトの成功の機運を呼び込んだり、関係者のマインドを高めたりすることができます。

数千万円、数億円規模の予算をお預かりするEDIIT Inc.は、ブレイクスルーの目線を共有し、関係者にワクワクしてもらいながらリードするために資料を用意しています。

悩んでいらっしゃる方はいつでもメッセージを送ってください。本日もご一読いただき、ありがとうございました。

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