【一橋大学地理受験対策】東南アジア地誌・時事問題・経済地理対策
対策不可能と言われた一橋地理二次試験の対策資料作成に挑みました!
私も一橋受験生時代に、地理受験は止めておけと高校の先生に随分と言われたものですが、地理が好きだったので、先生の反対を押し切りました。
高校の先生は自然地理しかわからなかったので、経済地理は独自の対策を行いました。例えば、JETROのメキシコ経済の基礎知識などを買って読みましたが(図書館にはない)、全ての主要国の本を買うのはコストがかさみますし、本を読むのもかなり時間がかかります(受験に必要な情報は一部ですし、どこに書いてあるか探すのも時間を要します)。休憩時間に世界経済について解説するテレビ番組も毎週チェックしていました。当時は手探りでやっていましたが、駿台一橋模試の地理で全国2位、一橋大二次試験でも地理点数はトップクラスでした。商学部を卒業して、金融の仕事に就きましたが、「そういえば、昔は地理が好きだったな」と、ふと正月に思いだして、この記事を書き上げました。社会人になった今、明確に一橋地理の対策法を体系化することが可能になりました。
メキシコ経済の基礎知識(第 3 版) | 中畑貴雄 |本 | 通販 | Amazon
手探りで対策していた受験生時代にこんな資料があれば良かったな、という視点で書いております。
ご存知の通り、一橋地理は経済地理が中心です。”自然地理?そんなの知らん、地図帳でも見ていろ”。そんな一橋大教授の声が聞こえてきます。一橋大は会計と経済を教える学校として設立されたので、自然地理は総合大学でやってください、ということなのでしょう。
教科書を暗記すればある程度戦える日本史や世界史とは違い(間違っていたらごめんなさい)、経済地理は暗記がしにくいです。暗記用のテキストや参考書も乏しいです。どちらかというと瞬発的な思考力が問われています。しかし、地理と言えども、”現代史”なのです。ある程度の暗記(パターン化)は可能です。今回は暗記詰込み用の資料として本記事を執筆しました。結局、日本のお受験は、暗記が一番効率的です。(それが社会に出て役に立つかはまた別の話なので要注意)
無料サンプルとして、タイ地誌を記載しました。
有料版では、ASEANの他の9か国について同様に記載しています。
一応、一橋大の学位証の写真もお付けします。(海外の大学院に出願した際の証明書なので英語です)
経済地理では、”変化”をとらえることが最も大事です。変化が格好の出題対象となります(グラフ読み取り問題などでよく出てきます、そしてその変化の理由を示せというのがお決まりの出題形式ですね)。正に現代史です。各国の”変化”を重点的に書き上げました。
本編1万2千字(無駄な用語解説など字数稼ぎは一切なし!)
タイ
・人口7100万人の域内大国
・アジアNo.1の観光大国(4000万人の外国人観光客。しかし、日本が3700万人と猛追中=円安効果)
・特に温暖な気候と、敬虔な仏教国特有の柔らかな国民性が人気で、ヨーロッパからの観光客が多い(地理的にもアジアの西側なので行きやすい)
・ドンムアンとスワンナプーム空港の二大空港(エアアジアタイというLCC航空会社)
・東南アジアで最もLGBTに寛容=上座部仏教は夫婦間以外の性行為でも同意の上ならば問題にならないらしい=同性愛OK(LGBTツーリズムも発展=アメリカ、スペイン、フランスの次にLGBT観光規模が大きい)
・あるいは徴兵制から逃れるために自ら性転換(レディーボーイ)となるからだ、という説もある
・ベトナム戦争時代に米軍基地がタイにあったことから、パタヤビーチは米軍の保養地として開発された(風俗産業も副次的に発達した)
・東南アジア最大の自動車製造国・輸出国
・日系メーカーも進出(アジアの一大拠点)
・タイが選ばれた理由①国王が政治的権力を握っており政治が安定している、②外資向けの法人税、部品輸入関税等減税、③タイ自体の消費地としての魅力(人口7000万人)、④東南アジアへの輸出拠点(ASEAN域内輸入関税撤廃=域内生産シフト、東南アジア大陸部の真ん中に位置、バンコクから港へのアクセスが良い、最近は経済回廊の発達でインド洋=ミャンマーにも太平洋=ベトナムにもアクセスが良い)、⑤親日国であり駐在員にも住みやすい、⑥昔から欧米によるインフラ整備が進んでいた(イギリスとフランスの緩衝国としてドイツなどに鉄道整備などを委任していた。ベトナム戦争時代には米軍入植がはじまり、軍事特需もあり、そこそこ産業があった)
・長年、日本車の市場シェアはほぼ100%だったが、近年は中国EV(BYD)の進出で日本車シェアは75%に低下した(テストに出題されると思います)
・2011年のチャオプラヤ川洪水で多くの工場が損害を受けた
・中進国の罠:一人当たりGDPが1万5000ドル(世界銀行の高所得国の定義)を突破できないという状態を長年経験している。
・その罠とは即ち、産業の高度化に失敗したということ(産業高度化に成功したマレーシアには中進国の罠を突破)
・自動車産業は発展しているが時流に乗った、IT、半導体、製薬バイオ産業の誘致には至っていない。
・そんな中で賃金が上昇して、少子高齢化の人口オーナスに突入して、既に製造拠点や消費地としての魅力を失った状態。今のホットエリアはベトナム(より賃金が安い、チャイナプラスワンとしての製造移転地区=既に米国向け輸出拠点としての地位を確立した、人口大国)
・ラオスから電力(水力発電)を購入
・ミャンマーから天然ガスを輸入
・メコン物流回廊の中心地(東西回廊、南北回廊、南部回廊)
・1997年のアジア通貨危機以降、バーツの価値は落ちたまま
・アジアのほとんどの国の通貨は米ドルと自国通貨の為替レートを固定するドルペッグ制を採用していた
・そんな中で外資の生産拠点が、タイから、人件費がまだ安かった中国へ移転する中で、タイの輸出が鈍化。
・更に95年以降、アメリカはクリントン政権下で強いドル政策が実施され、米ドルが高く推移するようになった
・タイ経済が落ち込む中で、ドルペッグ制で、ドル高につられて、バーツも高くなったことから、ファンダメンタルズに疑義が生じた。→国際投機筋が価値が著しく割高なバーツを空売りしたことでバーツは暴落→他のアジア通貨にまで波及→アジア通貨当局は自国通貨を買い支えることが不可能→変動相場制導入へ→タイ、韓国、インドネシアはIMFの管理下へ→IMFにより政府支出削減と利上げが行われ、レバレッジ(民間と政府の借金)で盛り上がっていたタイ経済は冷え込み→翌年は10%以上のマイナス成長率へ
・最大財閥のCPグループ(華僑系)は伊藤忠商事と提携している
・小売最大企業はセントラルグループで、世界でも有数の大きさのショッピングモールがバンコクに多数ある(ショッピング大国)
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