助けてくれ、表現が止まらない。
表現をしていると、時折、乗っ取られる。
この文章もそうだ。
書いているのは、私なのだが、
いや正確には、私の指先なのだが、
それは私の指先ではない。
何を言っているかわからないだろう。
そうだよね、私も何言ってるかわからない。
なんなら、何をこれから打ち込むのかも分からない。
なんなら、先ほどまで、お布団の中に潜り込んで、いそいそとお眠りの準備をしていたのだが。
気がつくと、またPCの前に座り込んで、文章を書いている。
誰だ、この文章を書いているのは、誰だ。
私だ。
正確には、私の中の”何か”だ。
これに抗うことはできない。
”表現したい”という衝動に抗うことはできない。
何かの拍子にスイッチが入ってしまったら、私のカラダが空っぽになるまで、この表現をしなければいけない。
”しなければいけない”というのは語弊がある。
”しなければ治まらない”というのが正しい。
押さえ込むと苦しくなる。
行き場のなくなったエネルギーが、私の身体の中でグルグルと渦巻いて、居心地が悪い。
まだだ。
まだ書きたい。
誰だ。
私にこの文章を書かせているのは誰だ。
PCの前に座って、”何か”への抵抗を止めると、私の手は勝手に動き始める。
頭の中は空っぽ。
な〜んにも考えてない。
それなのに、手が勝手に書いている。
何をそんなに焦っているのか。
いや、焦っているんじゃない。
本来はこのスピードなのか。
本来は、こうなのか。
それは私にはわからない。
そして唐突に終わりが来ることもある。
どうやら気が済んだようだ。
意外と早かったな。
私がちゃちゃを入れたのが気に食わなかったのだろうか。
それは私にはわからない。
でもこの時間が好き。
「助けてくれ、表現が止まらない。」
なんてふざけた事を言っていたら、そっぽ向いてしまった。
おやおや。
こうゆうときは寝るに限る。
今この文章は、私の頭が書いている。
気が向いたら、また書きにきてね。
できたら昼間に。
。。